【今週の注目材料】日本全国消費者物価指数 物価高受けて利上げ期待強まるか
【今週の注目材料】日本全国消費者物価指数 物価高受けて利上げ期待強まるか
中東情勢を受けた原油高もあり、世界的に物価高が進む展開となっています。企業がコストを消費者に転嫁するまでにはある程度時間がかかることから、消費者物価指数の伸びはまだ抑えられていますが、生産者物価指数などの企業間のモノ・サービスの価格上昇が著しいものになっています。13日に発表された米生産者物価指数(PPI)は前年比+6.0%、食品とエネルギーを除くコア前年比+5.2%となりました。
日本でも同様の傾向が見られ、15日に発表された国内企業物価指数(2020年=100)は、前年比+4.9%と3月の+2.9%から一気に上昇し、ウクライナ紛争の影響で上昇した2023年5月以来の高水準となりました。前月比では+2.3%まで伸びが加速しており、同水準は2014年4月以来12年ぶりとなっています。
日本の国内企業物価指数の内訳を確認すると、原油高を受けて石油・石炭製品が前年同月比+5.3%となり、3月の-7.1%から一気に上昇しました。前月比では+11.8%の伸びとなっています。ナフサなどの不足もあり化学製品の上昇も著しく、前年比+9.2%と3月の+0.8%から一気に上昇しました。電力・ガス・水道は-1.3%とマイナス圏ですが、3月の-6.3%からマイナス幅が大きく縮んでいます。この3項目が上昇寄与度トップ3となりました。
原油高の影響が強く見られるこの結果に、今後の他の企業物価や企業サービス価格への影響、さらに今後の消費者物価指数への影響などが警戒されます。
そうした中で22日に4月の日本全国消費者物価指数(全国CPI)が発表されます。3月の日本の全国CPI(生鮮除く)は前年比+1.8%となりました。2月の+1.6%からは上昇しましたが、市場予想と一致したことや、インフレターゲットである+2%を下回っての推移であることから、市場の反応はほとんど見られませんでした。
今回は+1.7%と小幅な鈍化が見込まれています。先行指標となる4月の東京都区部消費者物価指数(東京CPI)は生鮮除くコア前年比が+1.5%と3月の+1.7%を下回りました。ただ、これは東京都による第1子保育料無料の影響が出たとみられます。同施策は昨年9月スタートですが、統計算出の関係上、3月までは25年度全体の保育料が月次ベースで反映されており、今回4月分から無料での算出になっています。こちらは東京都のみの特殊事情になるため、全国CPIへの影響は限定的となります。ただ、それ以外にもコメ価格の落ち着きなどを受けた生鮮除く食品の伸び鈍化などが東京CPIを押し下げました。こうした状況が、全国CPIの伸びがかなり落ち着いたものとなるとの予想につながっています。
ただ、国内企業物価指数に見られるように、原油高が物価に与える影響が日本でも大きなものになりつつあります。消費者物価指数への波及が予想以上に早く、今回の全国CPIで予想を超える伸びが出てくると、日本銀行の早期利上げ期待につながります。
日本銀行の増一行審議委員は、14日に鹿児島県経済同友会で行われた講演で、(中東情勢を受けた)「景気下振れの兆しがはっきりとした数字で表れないのであれば、できる限り早い段階での利上げが望ましい」と発言しました。中立派とみられ、据え置き6名対利上げ3名で据え置きを決めた4月の日銀会合でも据え置き主張に回った増委員による、かなりタカ派な発言を受けて、日銀の物価上昇圧力への警戒感が意識されている状況です。それだけに、予想を超える物価の伸びは6月会合での利上げ期待を押し上げて円買いにつながると予想されます。
MINKABUPRESS 山岡
執筆者 : MINKABU PRESS
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