【本日の見通し】ドル安基調継続か
【本日の見通し】ドル安基調継続か
注目された先週のジャクソンホール会議でのパウエル議長による演説では、インフレの上振れリスクについての警戒を示しつつも、雇用市場の下振れリスクに言及し、金融政策スタンスの調整が必要になる可能性が示された。直近の米PPIやPMIの強い結果を受けて利下げに慎重な姿勢を継続するのではないかと見込んでいた市場にとってサプライズとなり、ドル売り円買いが一気に進んだ。ドル円は直前から約2円の下げとなり、その後も安値圏もみ合いとなっている。
週末の植田日銀総裁は日本の賃金上昇が続く可能性を示した。日銀の利上げに向けた動きが強まることが期待される展開で、日米の金利差縮小への期待がドル円の重石となりそう。パウエル議長発言で下げた後、NY午後は新たに安値を試す勢いに欠けたが、戻りの重さを考えると今週もう一段の下を試す可能性が十分にありそう。ドル円は146円台前半に向けた動きが期待される。
ユーロ円やポンド円も上値が重い展開か。パウエル議長発言でのドル買いは対円が最も目立ったこともあり、発言後クロス円は軒並みの円高となった。ユーロドルやポンドドルでのユーロ高ポンド高の分、ドル円に比べると下落率は落ち着いており、安値からの反発も見られたが、戻りは鈍くなりそう。ユーロ円は172円台後半の重さを意識して再び171円台トライを伺う展開、ポンド円は199円台が重くなりそう。対ユーロでもポンド売りがやや優勢となっており、ユーロ円以上に上値が重くなるか。
ユーロドルは議長発言を受けて1.17台へ上昇。ごく短期的には1.1700前後がしっかり。割り込んでも1.1650-70では買いが出そう。ポンドドルは1.3500がしっかり。1.3470前後が次のサポート。
MINKABUPRESS 山岡

執筆者 : MINKABU PRESS
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