ダウ平均は続伸 ナスダックは最高値更新 貿易協議の進展や利下げ期待が支援=米国株序盤
NY株式27日(NY時間11:54)(日本時間00:54)
ダウ平均 43863.37(+476.53 +1.10%)
ナスダック 20304.05(+136.14 +0.68%)
CME日経平均先物 40685(大証終比:+505 +1.24%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は続伸。ナスダックは最高値を更新している。米中が合意した。ラトニック米商務長官は米中が先月スイスのジュネーブで合意に達した枠組みについて、最終的な理解の取りまとめに至ったと述べた。また、計10に上る他の主要貿易相手国・地域とも、まもなく合意に達する可能性があることも明らかにしている。貿易協議の進展への期待が米株式市場をサポートしているようだ。
ただ、エコノミストからは、米中通商合意は最終決定に至ったもののリスクは残っているとの指摘も出ている。楽観的なシナリオは、現在の合意が緊張緩和への道を開くことだが、エコノミストは「現在の米中休戦を脱線させ、緊張の再燃につながる可能性のある要因は多数ある」と指摘。米国側は、中国がレアアースに関する約束を履行した後でなければ対中制裁措置を解除しないと表明している。これにより、履行を巡る対立のリスクが逆に高まっているという。
FRBの利下げへの期待も米株式市場をサポートしているようだ。 取引開始前にカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の発言が伝わり、年内に利下げが2回行われる可能性が高く、最初の利下げは9月になる可能性があるとの見方を示した。短期金融市場でも9月と12月の2回の利下げがコンセンサスとなっているようだ。
「市場はある種の停滞状態にあったが、しばらく市場に流れ込まなかった多くの資金が入ってこようとしている。ネガティブなニュースがなければ、資産全体に対する自然な引力が働く」とのコメントも出ている。
期末が接近しているが、株式のロングはそれほど積み上がっておらず、買戻しを入れやすい地合いにはあるようだ。
なお、本日5月のPCE統計が発表になったが、価格指数はコアが若干高かったももの、ほぼ予想範囲内となった一方、個人消費支出および所得が予想外のマイナスとなっていた。個人消費や雇用への冷え込みを示す内容ではあるが、米株式市場の反応はいまのところ限定的となっている。
ナイキ<NKE>が大幅高。決算説明会で、第1四半期の売上高について1桁台半ばの減少との見通しを示し、懸念していたほど悪くないとの見方に繋がった。
ボーイング<BA>が上昇。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を従来の180ドルから275ドルに引き上げた。前日終値よりも36%高い水準。
バイオ医薬品のコーメディックス<CRMD>が大幅安。増資計画が伝わった。同社は1株12.87-13.09ドルで株式を売却し、8500万ドルを調達する意向だという。前日終値に対して最大14%の低い水準。
油田サービスのMRCグローバル<MRC>が大幅高。同業のディーナウ<DNOW>が同社買収で合意した。全て株式交換による買収で、負債を含めた取引総額は約15億ドル。
化粧品のエスティローダー<EL>が上昇。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を従来の80ドルから99ドルに引き上げた。
建設資材のアポジー・エンタープライジーズ<APOG>が決算を受け上昇。1株利益、売上高とも予想を上回った。通期の1株利益の見通しも上方修正した。
ナイキ<NKE> 73.31(+10.77 +17.22%)
ボーイング<BA> 210.71(+8.13 +4.01%)
コーメディックス<CRMD> 12.51(-2.46 -16.41%)
MRCグローバル<MRC> 15.38(+2.06 +15.47%)
ディーナウ<DNOW> 16.29(+1.23 +8.13%)
エスティローダー<EL> 81.12(+2.09 +2.64%)
アポジー<APOG> 41.95(+2.28 +5.75%)
アップル<AAPL> 201.89(+0.89 +0.44%)
マイクロソフト<MSFT> 498.88(+1.43 +0.29%)
アマゾン<AMZN> 219.76(+2.64 +1.22%)
アルファベットC<GOOG> 174.73(+0.30 +0.17%)
アルファベットA<GOOGL> 173.79(+0.25 +0.14%)
テスラ<TSLA> 325.46(-0.32 -0.10%)
エヌビディア<NVDA> 158.46(+3.44 +2.22%)
メタ<META> 730.96(+4.87 +0.67%)
AMD<AMD> 143.95(+0.27 +0.19%)
イーライリリー<LLY> 785.79(-9.33 -1.17%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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