ダウ平均は8日続伸 本日から5月相場 関税を警戒した動きも一服=米国株序盤
NY株式1日(NY時間11:30)(日本時間00:30)
ダウ平均 41069.94(+400.58 +0.99%)
ナスダック 17885.02(+438.68 +2.51%)
CME日経平均先物 37125(大証終比:+575 +1.55%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は8日続伸。本日から5月相場に入るが、激動の4月相場から本日は買い戻しが強まっている。マイクロソフト<MSFT>とメタ<META>が前日引け後に決算を発表していたが、IT・ハイテク大手の決算にポジティブな反応が出ていることも雰囲気をサポートしている。
トランプ関税と米経済の減速がAI関連を脅かすではとの懸念が投資家に広まっていたが、両社ともポジティブな反応を示しており、AI進展への懸念が和らいでいる状況。エヌビディア<NVDA>も買い戻されている。本日は引け後にアップル<AAPL>とアマゾン<AMZN>が決算発表を予定しており注目される。
一方、4月のISM製造業景気指数が発表になり、2カ月連続で50を下回る縮小圏での推移が示された。ただ、予想は上回り、新規受注や雇用指数が予想外に上昇したことから、市場はポジティブな反応を見せている。
明日は米雇用統計が発表になり、弱い内容も警戒されているようだが、市場がどう反応するか注目される。弱い内容であればFRBの利下げ期待が再浮上する。
貿易協議の行方は具体的な進展がまだ発表されておらず、関税の明確化が進むまで市場の変動は続く可能性があるとの指摘も出ている。しかし、その一方で「トランプ政権の政策の急激な方向転換は既にピークを過ぎ、見通しはより建設的になって来ている」との声も出ている。その上で、「トランプ政権の最初の100日間は、政治的不確実性、貿易政策の転換、不安定な市場をもたらしたが、投資家は変動を管理し、その先を見据える戦略に焦点を当てるべきだ」と指摘している。
マイクロソフト<MSFT>が決算を受け上昇。全てが予想を上回った。クラウド部門も好調で、関税や経済の不確実性でも需要が安定していることを示した。アジュールの売上高も35%増加し、予想を上回った。
メタ<META>が決算を受け上昇。1株利益、売上高とも予想を上回った。前回に引き続き広告が好調で、予想を上回る広告収入を示した。同社のソーシャルアプリにおける広告収入は売上高の98%を占めるが、広告事業がトランプ政権の継続中の貿易戦争をこれまで乗り切っていることを示している。
携帯用半導体のクアルコム<QCOM>が決算を受け下落。第3四半期の売上高見通しが予想範囲内だったことにやや物足りなさを感じている模様。これは、関税が同社製品の需要に打撃を与えるとの懸念を浮き彫りにしたようだ。
医薬品のイーライリリー<LLY>が決算を受け下落。取引開始前に1-3月期決算(第1四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。ただ、株価は冴えない反応。通期の1株利益の見通しを下方修正している。これについては、取得した事業のIPR&D(進行中の研究開発費)および投資による損失によるものだと説明している。
ドラックストアや医療保険管理など総合ヘルスケアのCVSヘルス<CVS>が決算を受け上昇。通期の1株利益の見通しを上方修正した。また、医薬品福利厚生部門がノボ・ノルディスクのウェゴヴィを会員向けに広く提供するための契約を締結したと発表。
百貨店のコールズ<KSS>が上昇。取引開始前に2-4月期(第1四半期)の暫定決算を公表しており、既存店売上高の減収見通しが予想ほどではなかったほか、1株損益の赤字も予想ほど膨らまない見通しを示した。同社はまた、未開示の利益相反問題によりブキャナンCEOを解任したと発表。
クアルコム<QCOM> 136.80(-11.66 -7.85%)
CVSヘルス<CVS> 71.45(+4.74 +7.10%)
コールズ<KSS> 7.27(+0.57 +8.51%)
アップル<AAPL> 212.94(+0.44 +0.21%)
マイクロソフト<MSFT> 432.20(+36.94 +9.34%)
アマゾン<AMZN> 190.38(+5.96 +3.23%)
アルファベットC<GOOG> 163.38(+2.49 +1.55%)
アルファベットA<GOOGL> 161.45(+2.65 +1.67%)
テスラ<TSLA> 287.32(+5.16 +1.83%)
エヌビディア<NVDA> 114.38(+5.46 +5.01%)
メタ<META> 579.38(+30.38 +5.53%)
AMD<AMD> 99.98(+2.63 +2.70%)
イーライリリー<LLY> 817.16(-81.79 -9.10%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。