【これからの見通し】ドル相場は「移行期」か、ドル円は150円台乗せ定着するのかどうか
【これからの見通し】ドル相場は「移行期」か、ドル円は150円台乗せ定着するのかどうか
ドル相場は年頭からのドル安トレンドが一巡しており、足元ではややドル高方向に動いてきている。トランプ大統領の最近の言葉を借りると、ドル相場も「移行期」に入っている可能性がある。そのなかで、ドル円はしっかりと150円台に乗せており、円安・ドル高水準が定着するのかどうかをチェックしておきたい。
昨日のNY市場では、ドル円が一気に150円台乗せから150円台後半へと急伸する場面があった。日本時間午後10時45分に発表された3月米PMI速報値発表とタイミングを合わせて上昇していた。その内容は製造業が50割れへと予想以上に悪化、非製造業(サービス業)が予想以上の回復を示していた。総合指数は51.6から53.5へと上昇しており、市場予想以上の回復をみせていた。強弱感が交錯するなかで、ドル買いに反応した格好。蓄積してきた円買いポジションに調整が入る面も指摘される値動きだった。足元のマーケットはドル高・円安方向に反応しやすい状況となっているようだ。
きょうは住宅価格指数(1月)、S&Pケースシラー住宅価格(20都市)(1月)、新築住宅販売件数(2月)、コンファレンスボード消費者信頼感指数(3月)、リッチモンド連銀製造業指数(3月)など一連の米経済指標が発表される。新築住宅販売件数は年換算68万件と前回の65.7万件から増加する見込み。一方、CB消費者信頼感指数は94.0と前回の98.3から低下する見込み。強弱感が分かれる予想となるなかで、ドル相場はどのような反応をみせるのか。発表時刻は日本時間午後11時が予定されている。
この後の海外市場で発表される経済指標は、上記の米指標のほかに、トルコ設備稼働率(3月)、南アBER消費者信頼感指数(2025年 第1四半期)、香港貿易収支(2月)、ドイツIfo景況感指数(3月)、ハンガリー中銀政策金利(3月)などが予定されている。ドイツIfo景況感指数は86.7と前回の85.2から上昇する見込みになっている。トランプ大統領が自動車関税発動をちらつかせるなかで、ドイツの財政改革法案成立による景気下支え期待が引き続き反映されるのかどうかを確認しておきたい。
発言イベント関連では、ECB当局者の予定が多い。カジミール・スロバキア中銀総裁、ミュラー・エストニア中銀総裁、ホルツマン・オーストリア中銀総裁、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、ナーゲル独連銀総裁などの講演が予定されている。米金融当局者では、クーグラーFRB理事、ウィリアムズNY連銀総裁などの講演が予定されている。その他には米2年債入札(690億ドル)が実施される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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