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為替相場まとめ12月9日から12月13日の週

為替 

 9日からの週は、ドル高と円安の動きが優勢。ただ、次週の日米金融政策会合を控えて、市場は関連材料に神経質な動きをみせた。日銀に関しては当初、12月利上げ観測が優勢だったが、複数の関係者からのリーク情報では利上げ見送りが示唆された。ドル円は週末にかけて153円台をつけるなど円売りが優勢だった。ただ、緩やかなインフレの動きや日銀短観の回復傾向など利上げの条件は整いつつあり、来年1月から3月での利上げ観測は根強く残っている。米FOMCに関しては、米消費者物価指数や生産者物価指数が手掛かりとなった。いずれも根強いインフレ圧力が示されている。ただ、12月FOMCに関しては25bp利下げとの見方がほぼ固まる状況となっている。側面からのドル高圧力もあり全般にドルが買われた。中国が来年に金融緩和へと転換することが表明され、人民元安・ドル高につながった。スイス中銀は50bpの大幅利下げを発表、フラン売り・ドル買いに反応した。ECB理事会では予想通り25bpの利下げが発表された。スタッフ経済見通しではインフレ・成長いずれも下方修正された。声明では「景気抑制的」との文言が削除された。会合後のラガルド総裁会見では経済の先行き不透明感が指摘された。来週の英中銀会合では政策金利据え置きが見込まれており、ユーロ売り・ポンド買いが進行、年初来でのユーロ安水準を広げた。ただ、週末にはユーロポンドの下落は一服している。

(9日)
 東京市場は、ドル買い、円買いの動き。韓国の政治不安を背景に韓国株が大幅安となったことや、シリア情勢への警戒感などから、リスク回避の動きでドルと円が買われた。ユーロドルはドル高に振れ、午後に一時1.0532付近まで、ポンドドルは一時1.2717付近まで下落したあと、下げが一服している。クロス円はおおむね午後に円高傾向となり、ユーロ円は157.87付近まで、ポンド円は190.61付近まで下落した。しかし、東京終盤は円売りが入り下げ渋った。ドル円はドル買いと円買いが交錯し、150円ちょうど前後で小動き。
 
 ロンドン市場では、一転して円安・ドル安の動き。中国共産党の中央政治局会議で「来年はより積極的な財政政策を実施、適度の緩和的な金融政策を実施」などと表明したことが好感されている。為替市場ではリスク選好の反応をみせてドル円は149円台後半から150円台半ばへ、ユーロ円は158円付近から159円台乗せへ、ユーロドルは1.05台前半から後半へと上昇。なかでも、中国動向やリスク動向に敏感な豪ドルが大きく買われ、対ドルで0.63台後半から0.64台半ばへ、対円で95円台後半から97円台乗せまで上昇。ただ、欧州株には先週までの連騰疲れもあるようで、序盤の上げ幅を縮小、もしくは下げに転じる動きなどがみられている。米株先物・時間外取引でもダウ先物は上昇も、S&P500とナスダックはマイナス圏で推移している。仏政治情勢の対するフランス債の動きは落ち着いているが、政情不安以前の水準には戻し切れていない。新たにシリア情勢に変化もあり、韓国も含めて世界的に政治が不安定な状況となっている。リスク警戒ムードのなかで、中国の報道は朗報だったようだ。

 NY市場では、ドル円が151円台を回復。151円台では戻り売りも観測されたが、水準を維持している。本日はドル自体は買いが一服していたものの、円安の動きがドル円を押し上げた。中国の景気刺激策のニュースがリスク選好の円安を誘発している。 先週の米雇用統計は底堅い米労働市場を示したものの、来週のFOMCでの25bpの利下げ期待に変化はない。ユーロドルは緩やかな買い戻しが出ていた。一時ドル近くまで上昇する場面見られていたが、後半になって伸び悩む展開。今週は12日木曜日に年内最後のECB理事会が開催される。25bpの利下げは確実視されている。ポンドドルは買い戻しが優勢となり、1.28ちょうど付近まで上昇。200日線の水準が1.28台前半に来ており、再び試しに行くか注目されたが、後半に伸び悩んだ。今週は10月の月次GDPが金曜日に発表される。9月は予想外のマイナス成長だったが、今回は0.1%のプラス成長が見込まれている模様。FRBやECBとは違い、今月の英中銀の金融政策委員会(MPC)は据え置きが確実視されている。

(10日)
 東京市場では、円安から円高へと振れた。ドル円は昨日からの円売りが継続し、午前中に151.55近辺に高値を伸ばした。しかし、その後は売りに転じると午後には151円割れの場面も。その後の戻りは限定的で上値重く推移している。ユーロ円も159.80台まで買われたあとは159.40割れ水準へと反落。ユーロドルは午前中のドル高局面で一時1.0550割れに。午後には1.0568近辺まで下げ渋り。豪中銀金融政策会合では、市場予想通り政策金利を据え置いた。声明ではインフレリスクなどを継続して警戒も、データが弱まっていることに言及した。市場の利下げ期待につながる形で豪ドル売りとなった。対ドルは0.6410ドル前後から0.6380ドルまで下落。対円では97.00前後から96.46近辺まで下落した。

 ロンドン市場では、ドル買いが優勢。米10年債利回りは4.18%台から4.22%近くまで上昇、ドル買いにつながった。ドル円は東京市場で151円台半ばから151円台割れへと軟化。中国の冴えない物価指標が豪ドル円などとともにドル円の上値を抑えた。ロンドン朝方には150.90近辺まで下落した。しかし、ロンドン時間に入ると上昇に転換、高値を151.79近辺に更新した。その後は151円台半ば付近で推移している。ユーロドルは1.05台後半から前半へと軟化。一方、ポンドドルは1.27台での上下動で、やや買いが優勢。対ポンドでのユーロ売りの流れとなり、ユーロポンドは年初来安値を更新している。欧州株や米株先物・時間外取引はマイナス圏での推移。明日の米消費者物価指数、明後日のECB理事会などのイベントを控えて調整主導の展開となっている。

 NY市場では、ドル買いが先行。ドル円は一時152円台に乗せた。本日の200日線が152円ちょうど付近に来ており、その水準を試す展開となったが、終盤には151円台に伸び悩んでいる。全体的に市場のトーンは落ち着いていた。トランプトレードによるドル買いも一服し、市場は来週のFOMCの動向を気にしている。FOMC委員は現在、金融政策に関する発言を控えるブラックアウト期間に入っており、発言は聞こえてこない中、来週のFOMCを占ううえでは明日の米消費者物価指数と木曜日の生産者物価指数が最後の手掛かりになりそうだ。ユーロドルは再び売りが強まり、一時1.05を割り込む場面も見られた。ただ、終盤には1.05台に戻す展開。ポンドは対ドルでは上値が重いものの、対ユーロや円では上昇し、底堅い値動きも垣間見せていた。ポンド円は194円台まで上昇し、100日線を上抜いたほか、21日線も上回って来ている。英中銀はECBに比べて緩やかな金融緩和が想定され、それによりポンドは恩恵を受ける可能性も。

(11日)
 東京市場は、ドル円が振幅。ドル円は午前から昼にかけて軟化し、151.42近辺に安値を広げた。前日の上昇に調整が入るとともに、東京朝方に発表された11月の日本国内企業物価指数が市場予想を上回り、日銀の追加利上げ観測がやや強まったことなども重石となった。しかし、午後には米10年債利回りの上昇や日経平均が上げに転じたことを受けて下げ渋り、一時151.70台まで戻した。ユーロ円は159.44付近まで、ポンド円は193.43付近まで下落したあと、下げ一服。ユーロドルは1.05台前半で揉み合った。米消費者物価指数待ちの雰囲気もあった。
 
 ロンドン市場は、波乱の展開。米消費者物価の発表待ちとなるなかで、人民元売りに続いて円売りが強まった。朝方には「中国当局、2025年の人民元安容認を検討、トランプ関税にらむ 関係筋」との報道で、人民元安・ドル高が強まり、ユーロドルなどにもドル買いの動きが広がった。ユーロドルは1.05台前半から1.04台後半へと下落。続いて日銀関係者報道が円相場を乱高下させた。「一部政策委員は12月会合で利上げ提案あれば反対しない見通し」「追加利上げは時間の問題になりつつあると日銀は考えている」としたことでドル円は151円台半ばから151.02近辺まで急落。しかし、「円安の物価押し上げリスクは相対的に薄れていると日銀は判断」「日銀、今月利上げ見送りでも物価加速リスク大きくないと認識」と伝わると一気に152円台乗せへと買われた。その後も円安の動きが続いており152.80付近まで高値を伸ばした。クロス円も乱高下。ユーロ円は159円台割れから160円台乗せへ、ポンド円は192円台半ばに下落後、194円台半ばへと急反発した。米消費者物価指数発表待ちとなるなかで、市場は虚を突かれた格好になっている。

 NY市場は、根強いドル買いの動き。朝方発表になった11月の米消費者物価指数(CPI)が予想通りの内容で、市場では来週のFOMCの利下げを確実視している。ディスインフレのさらなる進展は見られていないものの、インフレの再浮上も確認されてない。短期金融市場では95%の確率で利下げを織り込んでいる。為替市場は一旦ドル売りで反応したが、動きが一巡するとドル買いが復活する展開。ドル円も152円ちょうど近辺に一旦伸び悩んだが、152円台半ばに戻している。エコノミストからは、FRBは来年に利下げペースを減速させるとの見方が出ている。本日のCPIは予想通りではあったものの、インフレの粘着性を示しており、来年の利下げペース減速の見通しを変えるには至らなかったという。ユーロドルも一時1.0535近辺まで買い戻されたが、ドル高期待が根強いなかで再び1.05台を割り込んだ。ポンドドルは1.27台での上下動に終始。カナダ中銀が政策委員会の結果を発表。政策金利は予想通りに50bpの大幅利下げを実施。しかし、声明ではこれまで使用していた「見通しが具体化されれば追加利下げをコミット」の文言が削除された。それを受けてカナダドルは買いの反応を見せていた。

(12日)
 東京市場は、円売りが優勢。ドル円は、午前に米利下げ観測などから軟化し、一時152円割れに沈んだ。しかし、その後は下げ渋り、152円台前半まで戻すと、午後には一転して152.77付近まで上昇した。日銀は利上げを急いでいないと一部で報じられたことが円売りにつながった。ユーロ円は一時160.49付近まで、ポンド円は195円ちょうど付近まで上昇した。豪ドル円は、11月の豪雇用統計の強い結果などもあって朝から堅調に推移し、一時98円台に乗せた。ユーロドルは、朝方に一時1.0510付近まで強含んだあと、この日の高値圏で小動きとなった。ユーロ相場はECB理事会待ちに。

 ロンドン市場は、ECB理事会発表などを控えて方向感に欠けた上下動。ドル円は152円台で、ユーロドルは1.05台前半、ポンドドルは1.27台後半を中心に振幅している。ロンドン朝方にドル円は一時152.77近辺まで買われた。ロイター通信が「日銀、利上げ見送り論強まる 直前まで情勢見極め=12月会合で関係筋」と報じたことが円売りを誘った。しかし、その後は152.30割れ水準まで反落。中国商務省が「中国、トランプ政権との経済・貿易に関する意思疎通に前向き」としたことで人民元買い・ドル売りに反応。主要国通貨にもドル安の動きを波及させた。そしてスイス中銀は50bp利下げを発表。予想外の大幅利下げにドル買い・フラン売りの反応が広がり、今度はドル買いが優勢となった。ただ、152.60台までの値動きにとどまり、ECB理事会待ちとなるなかで、次第に値幅は収束してきている。ユーロドルは1.05台割れから1.0530付近で、ポンドドルは1.2730台から1.2790付近で上に往って来い。クロス円もユーロ円は159円台後半から160円台半ば、ポンド円は194円割れ水準から195円付近での上下動。

 NY市場では、ドル円は下に往って来いの展開。11月の米生産者物価指数(PPI)を受けて、為替市場はドル売りの反応を示した。PPI自体は予想を上回る内容で食品価格の上昇が影響したが、米国債利回りが低下するなど、やや意外な反応も見せていた。同時刻に発表になった新規失業保険申請件数が予想を大幅に上回ったことも影響したようだ。ただ、前日の米消費者物価指数(CPI)とあわせて、依然インフレの兆候は残っており、来年初頭の金利据え置き観測も台頭。動きが一巡するとドルは買い戻しが強まった。ドル円は序盤に一時151円台に下落も、その後は152円台後半へと戻している。ユーロドルは1.05を挟んだ方向感のない上下動が続いたあと、1.0465近辺へと軟化した。ECBは予想通り25bp利下げを発表。声明から「必要な限り十分な長期間金利を維持」というコミットを削除しており、市場の追加利下げへの期待を追認する内容ではあった。ポンドは対ドルのみならず、対ユーロでも下落。ECB理事会を通過したことで、対ユーロなどでのポンド買いに巻き戻しの動きがみられた。

(13日)
 東京市場で、ドル円は一時153円台に上昇。来週の日銀金融政策決定会合での追加利上げ見送り観測などから円安傾向となり、11月27日以来およそ2週間ぶりの高値水準となる153.09付近まで一時上昇した。その後は上げが一服し、152円台後半に伸び悩んでいる。ユーロ円は朝方に160.25付近まで上昇したあと上値の重い展開となり、午後は160円ちょうど前後で推移した。ユーロドルは弱含み。午前に一時1.0481付近まで強含んだが、午後は一転して1.0456付近まで弱含み、11月27日以来およそ2週間ぶりの安値を更新した。

 ロンドン市場は、円売りが継続。今週は一連の関係者からのリーク情報で、来週の日銀決定会合での利上げ見送り観測が広がっており、週末のロンドン市場でも円が売られている。ドル円は152円台後半から153円台半ばへ、ユーロ円は159円台後半から161円台乗せへ、ポンド円は193円割れから194円台乗せへと上昇している。前日のECB理事会でのハト派トーンを受けて、きょうは一連のECB当局者らからも来年の利下げに言及する声が相次いだ。タカ派で知られるホルツマン・オーストリア中銀総裁も2%前後の中立金利水準まで金利が低下する可能性がある、としている。欧州株や米株先物・時間外取引は堅調に推移しており、リスク動向からも円売り圧力がみられている。また、ユーロ対ポンドではユーロが買い戻されている。この日発表された英月次GDPが予想外の2か月連続マイナスとなり、ポンド売りを誘った。ECBと英中銀の金利見通しの差異に基づいたこれまでのユーロ売り・ポンド買いの動きに調整が入る格好になっている。ユーロドルは1.04台半ばから1.05手前へと上昇。一方で、ポンドドルは1.26台後半から1.26台前半に下げた後の戻りは1.26台半ば付近まで。

 NY市場に入って円売りがもう一段強まり、ドル円は153円80銭まで上値を伸ばした。朝方はロンドン市場での高値153円70銭台から153円20銭台に調整売りが入る、ドル高と円安の動きが優勢。ただ、次週の日米金融政策会合を控えて、市場は関連材料に神経質な動きをみせた。日銀に関しては当初、12月利上げ観測が優勢だったが、複数の関係者からのリーク情報では利上げ見送りが示唆された。ドル円は週末にかけて153円台をつけるなど円売りが優勢だった。ただ、緩やかなインフレの動きや日銀短観の回復傾向など利上げの条件は整いつつあり、来年1月から3月での利上げ観測は根強く残っている。米FOMCに関しては、米消費者物価指数や生産者物価指数が手掛かりとなった。いずれも根強いインフレ圧力が示されている。ただ、12月FOMCに関しては25bp利下げとの見方がほぼ固まる状況となっている。側面からのドル高圧力もあり全般にドルが買われた。中国が来年に金融緩和へと転換することが表明され、人民元安・ドル高につながった。スイス中銀は50bpの大幅利下げを発表、フラン売り・ドル買いに反応した。ECB理事会では予想通り25bpの利下げが発表された。スタッフ経済見通しではインフレ・成長いずれも下方修正された。声明では「景気抑制的」との文言が削除された。会合後のラガルド総裁会見では経済の先行き不透明感が指摘された。来週の英中銀会合では政策金利据え置きが見込まれており、ユーロ売り・ポンド買いが進行、年初来でのユーロ安水準を広げた。ただ、週末にはユーロポンドの下落は一服している。

(9日)
 東京市場は、ドル買い、円買いの動き。韓国の政治不安を背景に韓国株が大幅安となったことや、シリア情勢への警戒感などから、リスク回避の動きでドルと円が買われた。ユーロドルはドル高に振れ、午後に一時1.0532付近まで、ポンドドルは一時1.2717付近まで下落したあと、下げが一服している。クロス円はおおむね午後に円高傾向となり、ユーロ円は157.87付近まで、ポンド円は190.61付近まで下落した。しかし、東京終盤は円売りが入り下げ渋った。ドル円はドル買いと円買いが交錯し、150円ちょうど前後で小動き。
 
 ロンドン市場では、一転して円安・ドル安の動き。中国共産党の中央政治局会議で「来年はより積極的な財政政策を実施、適度の緩和的な金融政策を実施」などと表明したことが好感されている。為替市場ではリスク選好の反応をみせてドル円は149円台後半から150円台半ばへ、ユーロ円は158円付近から159円台乗せへ、ユーロドルは1.05台前半から後半へと上昇。なかでも、中国動向やリスク動向に敏感な豪ドルが大きく買われ、対ドルで0.63台後半から0.64台半ばへ、対円で95円台後半から97円台乗せまで上昇。ただ、欧州株には先週までの連騰疲れもあるようで、序盤の上げ幅を縮小、もしくは下げに転じる動きなどがみられている。米株先物・時間外取引でもダウ先物は上昇も、S&P500とナスダックはマイナス圏で推移している。仏政治情勢の対するフランス債の動きは落ち着いているが、政情不安以前の水準には戻し切れていない。新たにシリア情勢に変化もあり、韓国も含めて世界的に政治が不安定な状況となっている。リスク警戒ムードのなかで、中国の報道は朗報だったようだ。

 NY市場では、ドル円が151円台を回復。151円台では戻り売りも観測されたが、水準を維持している。本日はドル自体は買いが一服していたものの、円安の動きがドル円を押し上げた。中国の景気刺激策のニュースがリスク選好の円安を誘発している。 先週の米雇用統計は底堅い米労働市場を示したものの、来週のFOMCでの25bpの利下げ期待に変化はない。ユーロドルは緩やかな買い戻しが出ていた。一時ドル近くまで上昇する場面見られていたが、後半になって伸び悩む展開。今週は12日木曜日に年内最後のECB理事会が開催される。25bpの利下げは確実視されている。ポンドドルは買い戻しが優勢となり、1.28ちょうど付近まで上昇。200日線の水準が1.28台前半に来ており、再び試しに行くか注目されたが、後半に伸び悩んだ。今週は10月の月次GDPが金曜日に発表される。9月は予想外のマイナス成長だったが、今回は0.1%のプラス成長が見込まれている模様。FRBやECBとは違い、今月の英中銀の金融政策委員会(MPC)は据え置きが確実視されている。

(10日)
 東京市場では、円安から円高へと振れた。ドル円は昨日からの円売りが継続し、午前中に151.55近辺に高値を伸ばした。しかし、その後は売りに転じると午後には151円割れの場面も。その後の戻りは限定的で上値重く推移している。ユーロ円も159.80台まで買われたあとは159.40割れ水準へと反落。ユーロドルは午前中のドル高局面で一時1.0550割れに。午後には1.0568近辺まで下げ渋り。豪中銀金融政策会合では、市場予想通り政策金利を据え置いた。声明ではインフレリスクなどを継続して警戒も、データが弱まっていることに言及した。市場の利下げ期待につながる形で豪ドル売りとなった。対ドルは0.6410ドル前後から0.6380ドルまで下落。対円では97.00前後から96.46近辺まで下落した。

 ロンドン市場では、ドル買いが優勢。米10年債利回りは4.18%台から4.22%近くまで上昇、ドル買いにつながった。ドル円は東京市場で151円台半ばから151円台割れへと軟化。中国の冴えない物価指標が豪ドル円などとともにドル円の上値を抑えた。ロンドン朝方には150.90近辺まで下落した。しかし、ロンドン時間に入ると上昇に転換、高値を151.79近辺に更新した。その後は151円台半ば付近で推移している。ユーロドルは1.05台後半から前半へと軟化。一方、ポンドドルは1.27台での上下動で、やや買いが優勢。対ポンドでのユーロ売りの流れとなり、ユーロポンドは年初来安値を更新している。欧州株や米株先物・時間外取引はマイナス圏での推移。明日の米消費者物価指数、明後日のECB理事会などのイベントを控えて調整主導の展開となっている。

 NY市場では、ドル買いが先行。ドル円は一時152円台に乗せた。本日の200日線が152円ちょうど付近に来ており、その水準を試す展開となったが、終盤には151円台に伸び悩んでいる。全体的に市場のトーンは落ち着いていた。トランプトレードによるドル買いも一服し、市場は来週のFOMCの動向を気にしている。FOMC委員は現在、金融政策に関する発言を控えるブラックアウト期間に入っており、発言は聞こえてこない中、来週のFOMCを占ううえでは明日の米消費者物価指数と木曜日の生産者物価指数が最後の手掛かりになりそうだ。ユーロドルは再び売りが強まり、一時1.05を割り込む場面も見られた。ただ、終盤には1.05台に戻す展開。ポンドは対ドルでは上値が重いものの、対ユーロや円では上昇し、底堅い値動きも垣間見せていた。ポンド円は194円台まで上昇し、100日線を上抜いたほか、21日線も上回って来ている。英中銀はECBに比べて緩やかな金融緩和が想定され、それによりポンドは恩恵を受ける可能性も。

(11日)
 東京市場は、ドル円が振幅。ドル円は午前から昼にかけて軟化し、151.42近辺に安値を広げた。前日の上昇に調整が入るとともに、東京朝方に発表された11月の日本国内企業物価指数が市場予想を上回り、日銀の追加利上げ観測がやや強まったことなども重石となった。しかし、午後には米10年債利回りの上昇や日経平均が上げに転じたことを受けて下げ渋り、一時151.70台まで戻した。ユーロ円は159.44付近まで、ポンド円は193.43付近まで下落したあと、下げ一服。ユーロドルは1.05台前半で揉み合った。米消費者物価指数待ちの雰囲気もあった。
 
 ロンドン市場は、波乱の展開。米消費者物価の発表待ちとなるなかで、人民元売りに続いて円売りが強まった。朝方には「中国当局、2025年の人民元安容認を検討、トランプ関税にらむ 関係筋」との報道で、人民元安・ドル高が強まり、ユーロドルなどにもドル買いの動きが広がった。ユーロドルは1.05台前半から1.04台後半へと下落。続いて日銀関係者報道が円相場を乱高下させた。「一部政策委員は12月会合で利上げ提案あれば反対しない見通し」「追加利上げは時間の問題になりつつあると日銀は考えている」としたことでドル円は151円台半ばから151.02近辺まで急落。しかし、「円安の物価押し上げリスクは相対的に薄れていると日銀は判断」「日銀、今月利上げ見送りでも物価加速リスク大きくないと認識」と伝わると一気に152円台乗せへと買われた。その後も円安の動きが続いており152.80付近まで高値を伸ばした。クロス円も乱高下。ユーロ円は159円台割れから160円台乗せへ、ポンド円は192円台半ばに下落後、194円台半ばへと急反発した。米消費者物価指数発表待ちとなるなかで、市場は虚を突かれた格好になっている。

 NY市場は、根強いドル買いの動き。朝方発表になった11月の米消費者物価指数(CPI)が予想通りの内容で、市場では来週のFOMCの利下げを確実視している。ディスインフレのさらなる進展は見られていないものの、インフレの再浮上も確認されてない。短期金融市場では95%の確率で利下げを織り込んでいる。為替市場は一旦ドル売りで反応したが、動きが一巡するとドル買いが復活する展開。ドル円も152円ちょうど近辺に一旦伸び悩んだが、152円台半ばに戻している。エコノミストからは、FRBは来年に利下げペースを減速させるとの見方が出ている。本日のCPIは予想通りではあったものの、インフレの粘着性を示しており、来年の利下げペース減速の見通しを変えるには至らなかったという。ユーロドルも一時1.0535近辺まで買い戻されたが、ドル高期待が根強いなかで再び1.05台を割り込んだ。ポンドドルは1.27台での上下動に終始。カナダ中銀が政策委員会の結果を発表。政策金利は予想通りに50bpの大幅利下げを実施。しかし、声明ではこれまで使用していた「見通しが具体化されれば追加利下げをコミット」の文言が削除された。それを受けてカナダドルは買いの反応を見せていた。

(12日)
 東京市場は、円売りが優勢。ドル円は、午前に米利下げ観測などから軟化し、一時152円割れに沈んだ。しかし、その後は下げ渋り、152円台前半まで戻すと、午後には一転して152.77付近まで上昇した。日銀は利上げを急いでいないと一部で報じられたことが円売りにつながった。ユーロ円は一時160.49付近まで、ポンド円は195円ちょうど付近まで上昇した。豪ドル円は、11月の豪雇用統計の強い結果などもあって朝から堅調に推移し、一時98円台に乗せた。ユーロドルは、朝方に一時1.0510付近まで強含んだあと、この日の高値圏で小動きとなった。ユーロ相場はECB理事会待ちに。

 ロンドン市場は、ECB理事会発表などを控えて方向感に欠けた上下動。ドル円は152円台で、ユーロドルは1.05台前半、ポンドドルは1.27台後半を中心に振幅している。ロンドン朝方にドル円は一時152.77近辺まで買われた。ロイター通信が「日銀、利上げ見送り論強まる 直前まで情勢見極め=12月会合で関係筋」と報じたことが円売りを誘った。しかし、その後は152.30割れ水準まで反落。中国商務省が「中国、トランプ政権との経済・貿易に関する意思疎通に前向き」としたことで人民元買い・ドル売りに反応。主要国通貨にもドル安の動きを波及させた。そしてスイス中銀は50bp利下げを発表。予想外の大幅利下げにドル買い・フラン売りの反応が広がり、今度はドル買いが優勢となった。ただ、152.60台までの値動きにとどまり、ECB理事会待ちとなるなかで、次第に値幅は収束してきている。ユーロドルは1.05台割れから1.0530付近で、ポンドドルは1.2730台から1.2790付近で上に往って来い。クロス円もユーロ円は159円台後半から160円台半ば、ポンド円は194円割れ水準から195円付近での上下動。

 NY市場では、ドル円は下に往って来いの展開。11月の米生産者物価指数(PPI)を受けて、為替市場はドル売りの反応を示した。PPI自体は予想を上回る内容で食品価格の上昇が影響したが、米国債利回りが低下するなど、やや意外な反応も見せていた。同時刻に発表になった新規失業保険申請件数が予想を大幅に上回ったことも影響したようだ。ただ、前日の米消費者物価指数(CPI)とあわせて、依然インフレの兆候は残っており、来年初頭の金利据え置き観測も台頭。動きが一巡するとドルは買い戻しが強まった。ドル円は序盤に一時151円台に下落も、その後は152円台後半へと戻している。ユーロドルは1.05を挟んだ方向感のない上下動が続いたあと、1.0465近辺へと軟化した。ECBは予想通り25bp利下げを発表。声明から「必要な限り十分な長期間金利を維持」というコミットを削除しており、市場の追加利下げへの期待を追認する内容ではあった。ポンドは対ドルのみならず、対ユーロでも下落。ECB理事会を通過したことで、対ユーロなどでのポンド買いに巻き戻しの動きがみられた。

(13日)
 東京市場で、ドル円は一時153円台に上昇。来週の日銀金融政策決定会合での追加利上げ見送り観測などから円安傾向となり、11月27日以来およそ2週間ぶりの高値水準となる153.09付近まで一時上昇した。その後は上げが一服し、152円台後半に伸び悩んでいる。ユーロ円は朝方に160.25付近まで上昇したあと上値の重い展開となり、午後は160円ちょうど前後で推移した。ユーロドルは弱含み。午前に一時1.0481付近まで強含んだが、午後は一転して1.0456付近まで弱含み、11月27日以来およそ2週間ぶりの安値を更新した。

 ロンドン市場は、円売りが継続。今週は一連の関係者からのリーク情報で、来週の日銀決定会合での利上げ見送り観測が広がっており、週末のロンドン市場でも円が売られている。ドル円は152円台後半から153円台半ばへ、ユーロ円は159円台後半から161円台乗せへ、ポンド円は193円割れから194円台乗せへと上昇している。前日のECB理事会でのハト派トーンを受けて、きょうは一連のECB当局者らからも来年の利下げに言及する声が相次いだ。タカ派で知られるホルツマン・オーストリア中銀総裁も2%前後の中立金利水準まで金利が低下する可能性がある、としている。欧州株や米株先物・時間外取引は堅調に推移しており、リスク動向からも円売り圧力がみられている。また、ユーロ対ポンドではユーロが買い戻されている。この日発表された英月次GDPが予想外の2か月連続マイナスとなり、ポンド売りを誘った。ECBと英中銀の金利見通しの差異に基づいたこれまでのユーロ売り・ポンド買いの動きに調整が入る格好になっている。ユーロドルは1.04台半ばから1.05手前へと上昇。一方で、ポンドドルは1.26台後半から1.26台前半に下げた後の戻りは1.26台半ば付近まで。

 NY市場に入って円売りがもう一段強まり、ドル円は153円80銭まで上値を伸ばした。朝方はロンドン市場での高値153円70銭台から153円20銭台に調整売りが入る場面が見られたが、米債利回りの上昇傾向もあってすぐにドル買い円売りに復し、NY午後に153円80銭前後を付ける展開となった。その後は週末前とあって動きが落ち着き、153円台後半での推移が続いた。ユーロドルはロンドン市場でのユーロポンドでのユーロ買いなどをきっかけとした1.0450台から1.0520台までの上昇に対する調整が入り、1.0480割れを付けた。米債利回りの上昇がドル買いにつながった。その後少し戻して1.0500を挟んでの推移となった。ユーロ円はロンドン市場でのドル円の上昇とユーロドルの上昇に161円台半ばを付けた後、NY市場にかけて調整売りが入る場面が見られたが、161円00銭前後までの押し目に留まるなど、堅調地合いとなった。

 

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執筆者 : MINKABU PRESS

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