【これからの見通し】先週末からの調整ムード継続か、トランプトレード再開への手がかり探る
【これからの見通し】先週末からの調整ムード継続か、トランプトレード再開への手がかり探る
週明けの東京市場では、ドル円動向が注目された。12月の日銀利上げ観測がみられるなかで、植田日銀総裁の経済懇談会と会見が行われている。ただ、植田総裁からは形通りの発言内容が繰り返されており、具体的な利上げ時期や昨今の円安動向などについてはお茶を濁されている。市場ではやや円安方向への反応がみられた。ただ、ドル円相場の上昇も続かず。市場では12月利上げの確度について、引き続き高いとみているもよう。ドル円は154円台半ば付近で値動きが一服している。
先週終盤には、トランプトレードのドル買いや株高などに調整が入っている。米大統領選でのトランプ氏の勝利、上院の共和党過半数獲得。そして、やや遅れて下院での共和党過半数獲得も確定した。その後は、トランプ次期政権での国務長官など主要ポストに対中強硬派や移民強硬派などが指名されたことで、ややネガティブなムードも広がった。バラ色のトランプトレードには調整の動きが入っている。また、週末にはバイデン現大統領がウクライナがロシア領内に対する米国製ミサイルの使用を認めるなど、地政学リスクが意識される報道もでていた。
この後のロンドン市場は、先週末からの調整の動きが継続して始まりそうだ。ただ、トランプトレードは乗りやすいテーマでもあり、再開するきっかけ・手掛かりを探る動きも想定される。
この後の海外市場で発表される経済指標は、スイス鉱工業生産指数(第3四半期)、香港雇用統計(10月)、カナダ住宅着工件数(10月)、カナダ国際証券取扱高(9月)、米NAHB住宅市場指数(11月)、対米証券投資(9月)など。比較的、市場の注目度が低い指標群にとどまっている。
発言イベント関連予定では、ナーゲル独連銀総裁、デギンドスECB副総裁、マクルーフ・アイルランド中銀総裁、レーンECBチーフエコノミスト、ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁、ラガルドECB総裁、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁などECB当局者の予定の多さが目を引く。その他には、グールズビー・シカゴ連銀総裁、グリーン英中銀委員などのイベント出席が予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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