【これからの見通し】石破ショック相場は一巡、視線は米雇用関連に移行へ

【これからの見通し】石破ショック相場は一巡、視線は米雇用関連に移行へ

　足元の円相場は緩やかな円安傾向を示している。先週末から週明け東京市場にかけての円高の動きは落ち着いた。いわゆる石破ショック相場は一巡したようだ。また、中国経済に対する不透明感は、先週から続々と打ち出された中国政府の景気諸対策で払拭されてきている。上海株や香港株は連日の大幅高となり、きょうからの中国大型連休を好ムードで迎えることとなっている。

　そのなかで、各国の政策金利に対する見方はそれほど極端なものではなくなってきている。目先の日銀追加利上げ観測や米ＦＯＭＣの大幅利下げ観測は後退しており、市場変動が増幅するような状況からは離れつつあるようだ。

　市場の関心は再びファンダメンタルズ材料に向かうこととなりそうだ。今週金曜日には注目度の高い米雇用統計が発表される。先日、パウエル米ＦＲＢ議長は政策の２大テーマであるインフレと労働市場について、次第に労働市場に軸足を置くことを示唆した。市場は労働市場の強弱感で今後の利下げペースを推し量る状況となっている。

　きょうは米国で製造業ＰＭＩ・確報値（9月）、建設支出（8月）、ＪＯＬＴＳ求人件数（8月）、ＩＳＭ製造業景気指数（9月）などが発表される。最近、注目度が高まっているのがＪＯＬＴＳ求人件数だ。今回８月予想は中央値が７６７．３万件と前回７月と同水準となっている。ただ、予想レンジは７５０万件から８００万件に分散しており、エコノミストらの見方はかなり分かれている状況だ。前回値からの乖離度合いに市場は敏感な反応をみせることを想定しておきたい。また、ＩＳＭ製造業景気指数については、予想が４７．５と前回の４７．２から小幅の上昇を見込んでいる。予想レンジは概ね４７－４８に収まっている。

　発言イベント関連では、デギンドスＥＣＢ副総裁、 ナーゲル独連銀総裁ピル英中銀チーフエコノミストなどの会合スピーチなどが予定されている。日本時間の日付が変わってからは、ボスティック・アトランタ連銀総裁、クックＦＲＢ理事、シュナーベルＥＣＢ理事、コリンズ・ボストン連銀総裁、バーキン・リッチモンド連銀総裁などのスピーチや討論会参加などが予定されている。また、シュレーゲル・スイス中銀新総裁が就任演説を行う。

minkabu PRESS編集部 松木秀明