【これからの見通し】米国発の株安連鎖、米雇用統計控えて今週は雇用関連指標に注意
【これからの見通し】米国発の株安連鎖、米雇用統計控えて今週は雇用関連指標に注意
三連休明けの米株式市場は波乱のスタートとなった。注目株であるエヌビディアは9.5%安となった。同社株はダウ平均採用銘柄ではないが、ダウ平均も626ドル安(-1.51%)と大幅安。恐怖指数(VIX)は大幅に上昇した。この動きは今日の日本株にも波及している。
円相場は前日から上値重く推移しており、きょうも円高の動き。ドル円は一時144円台後半まで下落した。日本株にとっては円高も売り圧力となり、リスク回避の相乗効果がみられる状況となっている。クロス円もユーロ円が160円台、ポンド円が190円台、豪ドル円が97円台へと下落している。
今週は金曜日の米雇用統計が最注目指標となっている。前回8月初頭には失業率が4.1%から4.3%へと予想外に上昇、非農業部門雇用者数の増加幅に20.6万人から11.4万人にほぼ半減した。これが、その後の世界同時株安を招いたことは市場参加者の脳裏に鮮明に焼き付いている。今回発表される8月分の数字について、市場予想中央値は4.2%や16.5万人増などと改善を期待している。ただ、雇用統計については予想の確度が低いことは十分警戒される点だろう。
米雇用統計発表に向けて、連日のように雇用関連指標が発表される。きょうは7月JOLT求人件数の発表が予定されている。市場予想は810.0万件と前回の818.4万件からの減少が見込まれている。市場のセンチメントが警戒モードとなっている状況で、予想との乖離に市場は敏感に反応する可能性がありそうだ。
その他の経済指標発表予定は、フランス・ドイツ・ユーロ圏・英国などの非製造業PMI、米MBA住宅ローン申請指数(08/24 - 08/30)、米貿易収支(7月)、米製造業新規受注(7月)、米耐久財受注(確報値)(7月)、カナダ国際商品貿易(7月)、カナダ中銀政策金利(9月)など。カナダ中銀に関しては、市場の大勢は4.50%から4.25%に政策金利を引き下げることを想定している。
発言イベント関連では、ビルロワドガロー仏中銀総裁がイベントに出席する。マックレム加中銀総裁、ロジャース加中銀上級副総裁などが金融政策発表後に記者会見を行う。NY後半には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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