内田日銀副総裁 円安の修正、政策運営に影響
展望レポートの中で、「金融政策運営については、先行きの経済・物価・金融情勢次第であるが、以上のような経済・物価の見通しが実現して
いくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」という考え方を示した。
考え方の前提として、「経済・物価の見通しが実現していくとすれば」という条件が付いている。
この点で、ここ 1 週間弱の株価・為替相場の大幅な変動が影響。
金融資本市場では、最初にお話しした米国の景気減速懸念を契機に、世界的に急速なドル安の動きと株価の下落が生じている。
とくにドル円はこれまで円安方向で大きなポジションが積み上がっていたことの巻き戻しがあり、変動幅が大きい
為替相場の面では、円安が修正された結果、輸入物価を通じた物価上振れのリスクは、その分だけ小さくなった。
輸入物価の上昇は、契約通貨ベースではほぼゼロ%、円ベースでの上昇は、ほぼこれまでの円安によるものです。
この点で円安の修正は、政策運営に影響。
こうした市場の変動の結果として、見通しやその上下のリスク、見通しの確度が変われば、当然金利のパスは変わる。
もともと、欧米の利上げプロセスとは異なり、日本は一定のペースで利上げをしないとビハインド・ザ・カーブに陥ってしまうような状況ではない。
したがって、金融資本市場が不安定な状況で、利上げをすることはない。
執筆者 : MINKABU PRESS
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