アジア株 空売り・クオンツ取引の規制強化で上海株は"ひとまず"上昇 締め付けでは投資家心理改善せず
アジア株 空売り・クオンツ取引の規制強化で上海株は"ひとまず"上昇 締め付けでは投資家心理改善せず
東京時間14:00現在
香港ハンセン指数 17727.50(+255.83 +1.46%)
中国上海総合指数 2961.99(+22.63 +0.77%)
台湾加権指数 24350.69(+343.61 +1.43%)
韓国総合株価指数 2880.66(+12.67 +0.44%)
豪ASX200指数 7879.90(+63.09 +0.81%)
インドSENSEX30種 79723.88(-200.89 -0.25%)
アジア株はインドを除いて上昇、前日の米株高を好感した買いが続いている。パウエルFRB議長の議会証言は特に市場を驚かせるような発言もなく無難に終わったことで、安堵感が広がっている。
香港株は1.46%高。自動車や医療品、ハイテク、保険、不動産など幅広い銘柄が上昇している。アリババやシャオミ、JDドットコム、テンセントホールディングス、美団、レノボなどハイテク関連も上昇。バイドゥは続伸。上海市で完全無人の自動運転タクシーが承認されたことが引き続き好感されている。同報道を受けきのうは一時13%急騰し、1年超ぶりの大幅上昇となった。
台湾株は史上最高値を更新。半導体を中心にハイテク関連に買いが集中している。TSMCは2.3%高、上場来高値をつけている。
上海株は0.77%高。証券監督管理委員会(証監会)が空売りやクオンツ取引の監視を強化するため、これまでで最も強力な措置を講じると発表した。重要会議である3中総会を15日に控え、株価下落を阻止することが狙いか。ただ、このような措置を受けた株価上昇は一時的だろう。締め付けで投資家心理が改善するのか。
長引く不動産不況、デフレ懸念・個人消費低迷、人民元安進行、西側諸国との関係悪化。さらにはトランプ氏復活への警戒感も高まっている。
トランプ氏は大統領に返り咲いた場合、中国製品に対し60%の関税を課す方針を示している。バイデン大統領の高齢不安からトランプ氏の支持率が上昇しており、トランプ氏が再び大統領になる可能性が高まってきている。
株価上昇には相場監視や規制などではなく、マーケットが喜ぶような「大規模」な景気支援策が必要だ。ただ、中国首相は今年も大規模な支援策なくとも政府目標5%前後の経済成長を達成できるとしており、来週の重要会議でも大規模な支援策は期待できないか。
執筆者 : MINKABU PRESS
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