【これからの見通し】経済統計にドル相場が反応、昨日はドル高一服もきょうはどうか
【これからの見通し】経済統計にドル相場が反応、昨日はドル高一服もきょうはどうか
昨日のNY市場では、ドル高が一服した。4月米PMI速報値が製造業、非製造業ともに弱含んだことに反応していた。英国やユーロ圏のPMI速報値が比較的強かったこととは対照的な結果となり、ドルが売り戻された格好。英欧金融当局者の一部からは、早期の利下げ開始見通しが示されている。しかし、米金融当局とのタイミングのズレを気にする声もあり、為替レートは目標にあらずとしながらも、自国通貨安がインフレ動向に与える影響を気にはしていた。その動きが、昨日のPMIでやや緩和された面があるようだ。ドル指数は10日線のサポートを下回っている。
そのなかでドル円は頑固に上値を指向している。政府日銀の介入が意識される155円手前水準とあって、値動きは極めて緩慢。足元では高値を154.90台に更新し、34年ぶり高値を連日更新している。金曜日の日銀決定会合を控えて、基本的には日米金利差相場が継続している状況だ。今回の決定会合では展望レポートでの物価見通し引き上げがどの程度のものとなるのかが注目されている。植田日銀総裁会見では、金融政策正常化と緩和姿勢のバランスに腐心することとなりそうだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、ドイツIfo景況感指数(4月)米MBA住宅ローン申請指数(04/13 - 04/19)、米耐久財受注(速報値)(3月)、カナダ小売売上高(2月)など。結果次第では、各指標ともそれぞれの国の中銀の利下げ観測にインパクトを与える可能性がありそうだ。独Ifo景況感指数は88.8の予想で、前回の87.8から改善する見込み。米耐久財受注は予想の確度は低いが、前月比+2.5%と前回の+1.3%から伸びが加速する見込み。カナダ小売売上高は前月比+0.1%と前回の-0.3%から改善見込みだが、コア前月比は+0.1%と前回の+0.5%から伸び鈍化見込み。
発言イベント関連では、デコス・スペイン中銀総裁、ナーゲル独連銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、チポローネECB理事など一連のECB当局者の講演やイベント参加が予定されている。NY時間にはカナダ中銀議事録(4月10日開催分)が公表される。米週間石油在庫統計が発表される。米企業決算は、IBM、メタプラットフォームズ、AT&T、バイオジェン、ボーイング、フォードなど多く予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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