ダウ先物は上昇 明日の米雇用統計待ちの雰囲気も=米国株
米株価指数先物(6月限)(NY時間08:44)(日本時間21:44)
ダウ先物 39636(+154.00 +0.39%)
S&P500 5291.50(+25.00 +0.47%)
ナスダック100先物 18487.50(+114.25 +0.62%)
米株価指数先物市場でダウ先物、S&P500、ナスダック100とも上昇している。前日はISM非製造業景気指数が予想を下回ったことで、利下げ期待の後退が一服し、買いが強まる場面もあった。しかし、終盤にかけて伸び悩む展開を見せ、上値の重さを印象づけていた。
このところの強い米経済指標で、FRBが高金利を長期化させるのではないかという懸念が、第2四半期の米株式市場の重荷となっている。パウエル議長はきのうの講演で、利下げには、インフレが2%目標に向かっていることを確認する必要があると述べていたほか、ボスティック・アトランタ連銀総裁は年内の利下げは1回で済むかもしれないとの考えを示していた。
市場は利下げ予想を調整しており、6月利下げの確率を先週の約70%から60%以下まで低下させている。「現時点でFRBが利下げを行う理由があるとは思えない。米経済は非常に好調で、まだインフレを打ち破っていない」との声も聞かれている。一方、「株式市場は強気ローテーションの兆しを見せている。つまり、昨年秋以来の株高の原動力となったIT・ハイテク株以外の成長株に物色の矛先を向け始めている」とも述べていた。
本日は、明日の米雇用統計の結果待ちの雰囲気になる可能性もありそうだ。今週発表の2月の米求人件数は、労働需要が高水準で安定しつつあることを示唆していた。毎週発表の新規失業保険申請件数も低水準での推移が続いている。それらから、非農業部門雇用者数(NFP)は再び上振れとなる可能性が高いとの見方もエコノミストからは出ているようだ。必ずしも一致しないが、前日のADP雇用統計も予想を上回っていた。
特に最近ではインフレ懸念から平均時給に注目が集まっているが、前年比4.1%への鈍化が見込まれている。労働力に対する過剰需要が減少し、労働者の退職に伴う離職率が低水準で推移していることもあり、賃金圧力は引き続き緩むと予想されているようだ。
ジーンズのリーバイ・ストラウス<LEVI>が時間外で大幅高。前日引け後に12-2月期決算(第1四半期)を発表し、売上高は予想範囲内だったものの、1株利益は予想を上回った。特にガイダンスで通期の1株利益を上方修正したことが好感されている模様。
決済サービスのブロック<SQ>が時間外で下落。アナリストが投資判断を「売り」に引き下げ、目標株価を60ドルに設定した。前日終値から24%低い水準。
セキュリティのブラックベリー<BB>が時間外で上昇。前日引け後に12-2月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益が予想外の黒字となったほか、売上高も予想を上回った。粗利益率も予想を上回っている。
(NY時間08:54)(日本時間21:54)時間外
リーバイ・ストラウス<LEVI> 21.05(+2.39 +12.81%)
ブロック<SQ> 77.35(-2.30 -2.89%)
ブラックベリー<BB> 2.95(+0.14 +4.98%)
アップル<AAPL> 170.59(+0.94 +0.55%)
マイクロソフト<MSFT> 424.02(+3.57 +0.85%)
アマゾン<AMZN> 184.26(+1.85 +1.01%)
アルファベット<GOOG> 155.10(-1.27 -0.81%)
テスラ<TSLA> 170.23(+1.85 +1.10%)
メタ<META> 516.65(+9.91 +1.96%)
エヌビディア<NVDA> 904.14(+14.50 +1.63%)
AMD<AMD> 183.20(+2.43 +1.34%)
イーライリリー<LLY> 781.97(+5.98 +0.77%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。