ダウ平均は小幅続伸 ＩＴ・ハイテク株には利益確定売り＝米国株概況

NY株式13日（NY時間16:20）（日本時間05:20）
ダウ平均　　　39043.32（+37.83　+0.10%）
S＆P500　　　　5165.31（-9.96　-0.19%）
ナスダック　　　16177.77（-87.87　-0.54%）
CME日経平均先物　38450（大証終比：+100　+0.26%）

　きょうの米株式市場でダウ平均は小幅続伸の一方で、ＩＴ・ハイテク株が売られ、ナスダックは反落した。前日の米消費者物価指数（ＣＰＩ）は高い数字となったものの、ＦＲＢのスタンスに変化は与えないとの見方から、Ｓ＆Ｐ５００は終値ベースで最高値を更新した。エヌビディア＜NVDA＞を始めとしたＩＴ・ハイテク株が上げを先導。

　本日はその上げも一服し、明日の米生産者物価指数（ＰＰＩ）や小売売上高、そして来週のＦＯＭＣといった次の材料を待ちたい雰囲気が広がっている。エヌビディアやＡＭＤ＜AMD＞、テスラ＜TSLA＞が下落。

　テスラについてはアナリストの同社株に対する警戒感が広がっており、強気評価の割合が２０２１年４月以来の低水準まで落ち込んでいる。きょうもアナリストが成長が鈍化するとして、投資判断を「売り」に引き下げた。テスラの販売台数は今年横ばい、２０２５年には減少を予想している。「成長のない成長企業」と評した。

　一方、ファンダメンタルズについては「ＦＲＢがこの景気サイクルを終わらせるとは考えていない。最終的にこの景気拡大の終わりを決めるのは、何らかのショックが有無だ。そうでなければ、かなりの期間、後期サイクルとみなされる状態になる可能性がある」との指摘も出ていた。

　インテル＜INTC＞が下落。前日引け後に米防総省が同社への半導体補助金として最大２５億ドル拠出する計画を撤回すると伝わった。

　医療機器のＧＥヘルスケア＜GEHC＞が下落。モルガンスタンレー（ＭＳ）＜MS＞の関連会社がＧＥヘルスケア株を１４００万株売り出すと発表した。

　ディスカウントショップのダラー・ツリー＜DLTR＞が大幅安。取引開始前に１１－１月期決算（第４四半期）を発表し、１株利益、売上高が予想を下回ったほか、通期の売上高見通しも予想を下回った。同社は、ポートフォリオの最適化見直しの一環として、上半期中にファミリーダラー部門で約６００店舗を閉鎖する計画を発表した。

　スキンケア製品のビューティ・ヘルス＜SKIN＞が決算を受け大幅高。通期のＥＢＩＴＤＡは予想を上回る見通しを示した。同社はまた、１１月から暫定ＣＥＯを務めていたベック氏を新ＣＥＯに指名した。ただ、アナリストからは厳しい声も出ていた。

　メディケア・アドバンテージのクローバー・ヘルス・インベストメンツ＜CLOV＞が決算を受け上昇。経常収益が予想を上回った。保険加入者も予想を上回っている。ガイダンスも公表し、通期のＥＢＩＴＤＡが予想を上回る見通しを示した。

　アパレルのオールバーズ＜BIRD＞が決算を受け大幅安。第１四半期、通期とも売上高見通しが予想を下回った。

　ＵＳスチール＜X＞が下落。バイデン大統領が、日本製鉄＜5401＞によるＵＳスチール買収計画に深刻な懸念を表明する声明を発表する予定だと伝わった。

　キッチン・インテリア用品のウィリアムズ・ソノマ＜WSM＞が決算を受け大幅高。通期の売上高と営業利益率の見通しが予想を上回り、特に営業利益率はアナリストの賞賛を浴びた。

ビューティ・ヘルス＜SKIN＞　4.25（+0.66　+18.38%）
インテル＜INTC＞　43.23（-2.01　-4.44%）
クローバー・ヘルス＜CLOV＞　0.81（+0.04　+4.99%）
ＧＥヘルス＜GEHC＞　88.48（-3.34　-3.64%）
ダラー・ツリー＜DLTR＞　128.42（-21.27　-14.21%）
オールバーズ＜BIRD＞　0.75（-0.18　-19.33%）
ウィリアムズ・ソノマ＜WSM＞　283.87（+42.82　+17.76%）
ＵＳスチール＜X＞　40.86（-5.98　-12.77%）

アップル＜AAPL＞　171.13（-2.10　-1.21%）
マイクロソフト＜MSFT＞　415.10（-0.18　-0.04%）
アマゾン＜AMZN＞　176.56（+1.17　+0.66%）
アルファベットC＜GOOG＞　140.77（+1.15　+0.82%）
テスラ＜TSLA＞　169.48（-8.06　-4.54%）
メタ＜META＞　495.57（-4.18　-0.84%）
ＡＭＤ＜AMD＞　194.79（-7.97　-3.93%）
エヌビディア＜NVDA＞　908.88（-10.25　-1.12%）
イーライリリー＜LLY＞　757.84（+2.89　+0.38%）

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美