日本製鉄のUSスチール買収案、審査に1年以上かかる可能性=米国株個別
(NY時間14:04)(日本時間04:04)
USスチール<X> 47.70(-0.58 -1.20%)
日本製鉄<5401>によるUSスチール<X>の買収に対する米政府の国家安全保障上の審査は、今年の終わりまで終了する見込みはなく、2025年まで延長される可能性がある。ブルームバーグが関係者の話として伝えた。
対米外国投資委員会(CFIUS)による極秘の精査はまだ初期段階にあるという。米財務省率いる省庁間の委員会は、国家安全保障を理由に取引を承認、阻止、修正する権限を持ち、バイデン大統領に判断を仰ぐこともできる。
審査の正確な時期はまだ不明だが、このプロセスに詳しい専門家は、審査には約1年以上かかると予想していると述べた。プロセスは法的な揉め事の中で進んだり中断したりする可能性があるため、この規模の審査では通常の範囲内だという。
買収計画はバイデン大統領と民主党議員から、政府による綿密な審査を求める声を呼び起こした。対米外国投資委員会による調査は、今年の米大統領選挙を背景に展開されるが、バイデン大統領は米製造業を復活させる計画を有権者への2期目への主張として利用している。
激戦区であるペンシルベニア州に本社を置く米国を代表する企業の買収は、共和党のトランプ氏と再び対決する可能性が高いバイデン大統領にとって、政治的な影響を及ぼす可能性がある。バイデン大統領はペンシルベニア州出身でもあり、米国製の製品、そしてサプライチェーンを強化し、労働組合の雇用を守ることをキャンペーンに掲げてきた。
今回の買収はペンシルベニア州の民主党上院議員ボブ・ケーシー氏とジョン・フェターマン氏、そして全米鉄鋼労組を中心に大きな反対を集めている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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執筆者 : MINKABU PRESS
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