ドルの買い戻し優勢=ロンドン為替概況

ドルの買い戻し優勢=ロンドン為替概況

　昨日の海外市場でタカ派で知られるウォラーFRB理事の慎重な発言を受けて進んだドル安の流れが東京午前まで継続し、ドル円は9月12日以来の安値146円65銭前後までドル安となった。東京午後にも146円台を付けるなど上値の重さが見られたが、ロンドン市場に入ってドルの買い戻しが優勢となり、147円80銭台まで上昇。東京午前の下げ分を解消して、さらにドル高が進む展開となった。月曜日に付けた149円67銭の高値から、今日の東京午前までに約3円の下げとなっており、行き過ぎ感が広がっていた。
　東京午後からロンドン朝にかけて4.25%台まで下げた米10年債利回りが4.3%台を回復したこともドル安の一服感を誘っている。
　東京午前のドル安局面で1.1010台を付けたユーロドルは、1.0970前後までユーロ安ドル高となった。ドル円同様にドル売りに対する調整の動きが広がった。この後22時に発表される11月のドイツ消費者物価指数は前回から伸びが鈍化する見込みで、ユーロの利上げ打ち止め感と早期利下げ開始期待が強まるとの思惑も、ユーロドルの重石となっている。
　ユーロ円はドル円の買い戻しに支えられて162円台をしっかり回復した。東京午前のドル円の下げ局面で161円50銭台を付けたユーロ円は、ロンドン市場朝も161円60銭台を付けるなど、やや上値の重い展開となった。アジア市場での香港・中国の株安からのリスク警戒の動きも重石となっていた。その後ドル円の上昇に支えられて162円20銭台を付けている。
　東京午前のNZ中銀金融政策会合で政策金利は市場予想通り据え置きとなったが、声明などでのタカ派姿勢が目立ち上昇したNZドル。0.6150台から0.62超えまで急上昇し、その後も高値圏での推移となっていた。その後のドル全般の上昇にじりじりと下げ、会合後の上昇分を解消する動きとなっている。

MINKABU PRESS 山岡和雅