【中銀チェック】来週の英中銀は据え置き見通しが濃厚
【中銀チェック】来週の英中銀は据え置き見通しが濃厚
イングランド銀行(中央銀行)は前回9月21日の金融政策会合(MPC)で大方の予想に反して政策金利を5.25%に据え置くことを決定した。コロナ禍で0.1%まで下がった英中銀の政策金利は2021年12月の利上げ開始から14会合連続で引き上げられていた。
前回のMPC決定の前日、9月20日に発表された8月の英物価統計は、インフレターゲットの対象である消費者物価指数前年比が+6.7%と、7月の+6.8%から予想外に鈍化した。市場予想は+7.0%となっていた。物価の鈍化が進む一方、これまでの金融引き締めの影響もあって失業率の悪化などの厳しい状況が見られていることで、いったん利上げをストップした形。
もっとも投票は5対4と僅差であり、利上げ期待も継続。据え置きに投票したピル・チーフエコノミストが、今月16日にインフレ目標達成のためにまだやるべきことがあると発言していた。
今月18日に発表された最新9月の英消費者物価指数は前年比+6.7%と予想を上回って8月と同水準の伸びとなった。インフレターゲットの2%がかなり遠いという印象を与えている。
もっとも、11月2日に予定されている次回の英中銀MPCに関しては、追加利上げ期待がそれほど強くなっていない。
前回の会合直後、短期金利市場動向から見た11月の会合での利上げ期待は40%程度と、かなりの水準に上っていた。その後48%台まで上昇し、利上げと据え置きで見通しが二分する展開が見られた。
しかし、その後はほぼ一本調子に利上げ期待が後退。10月20日に発表された9月の英小売売上高の弱さに見られる英経済の鈍化懸念が利上げ期待を押し下げている。
ベイリー総裁は物価動向について、年内にインフレ圧力が急速に弱まるとの見通しを示している。また、物価高のリスクとして指摘されている英国の賃金上昇についても、17日に発表された6-8月の週平均賃金が前年比7.8%と5-7月の7.9%から小幅ながら鈍化。5-7月期の賃金上昇が2001年の統計開始以来最高水準ということもあるが、求人件数なども減少しており、相当にタイトと指摘されていた雇用市場に失速の兆しが見えていることも、据え置き期待につながっていると見られる。
ただ、前回投票結果は5対4と相当に僅差。ベイリー総裁、ピル・チーフエコノミストといった金融政策立案に重要な位置を占めるメンバーが据え置きに投票したとはいえ、英中銀はもともとインフレへの警戒感の強い中銀だけに、利上げ派が増える可能性が無いとは言えない。
また、米FOMC、ECB理事会、日銀金融政策決定会合は議長・総裁の提案が否決されたことが歴史上ないが、英中銀は総裁が少数派に回るケースがこれまで複数回見られているだけに油断は大敵となっている。
サプライズで利上げになると一気にポンド高が進む可能性がある。
なお、今回は結果・声明・議事要旨の公表に加え、四半期報告が同時に発表され、総裁の会見が実施されるいわゆるスーパーサーズデーの回となっている。
市場予想通り据え置きとなった場合でも、物価見通しの状況が総裁会見次第ではポンド高となる可能性に注意したい。
MINKABU PRESS 山岡和雅
執筆者 : MINKABU PRESS
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