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ダウ平均はプラス圏での推移 米国債利回り低下でIT・ハイテク株への買い強まる=米国株後半

株式 

NY株式23日(NY時間15:32)
ダウ平均   34453.89(+165.06 +0.48%)
ナスダック   13738.27(+232.40 +1.72%)
CME日経平均先物 32010(大証終比:+40 +0.13%)

 NY時間の終盤に入って、ダウ平均は上げを一服させているものの、プラス圏での推移を続けている。きょうのNY株式市場でダウ平均は反発したほか、IT・ハイテク株への買いが強まり、ナスダックは大幅高となった。この日発表の米欧の企業景況感指標が弱い内容となったことで、景気の先行きへの不安感を強めている。しかし、米株式市場はFRBのタカ派期待への緩和と、米国債利回り低下に後押しされている模様。

 本日は引け後にエヌビディア<NVDA>の決算が予定されており、その内容に期待している雰囲気も強い。エヌビディアの株価は前日に下落したが、それでも株価は今年に入って3倍超以上しており、S&P500の構成銘柄の中では断トツの上昇率となっている。エヌビディアの5-7月(第2四半期)決算については、売上高は65%増が予想されており、AIサービス向けのチップ需要が旺盛でデータセンター部門での大幅な増収が期待されている。ガイダンスでも強気な見通しが示されると見込まれているようだ。

 アナリストからは「同社とAIサプライチェーン全体に対する市場の期待は明らかに高まっており、AIサーバーの上向きのモメンタムは引き続き市場の期待を超えると予想している」との見方も出ている。ただ、その一方で「同社株には明らかに下値警戒感が出ている。もし、決算が期待外れに終われば、影響はセクター全体に広がるだろう」との声も聞かれる。

 今週のもう一つの重要イベントに金曜日のパウエルFRB議長の講演がある。市場の見方に変化は出ていない。前回のFOMC議事録で、委員の大半がインフレが鈍化しない可能性を懸念し、利上げ継続が必要になり得るとの見解を示していた。議長の講演も、利上げ終了は接近しているものの、あと若干の追加利上げと、その後の高水準での金利維持の可能性を示唆するタカ派なトーンの内容が期待されている。トーンの程度次第では米株式市場も敏感に反応する可能性も留意される。

 スポーツ用品販売のフット・ロッカー<FL>が決算を受け大幅安。既存店売上高が予想以上の減収となったほか、見通しも下方修正した。配当の一時停止も発表。前日は同業のディックス・スポーティング<DKS>も冴えない決算を発表していたが、スポーツ用品業界は米国での裁量消費の減退に苦戦を強いられているようだ。これを受けて前日同様にナイキ<NKE>も続落。

 ネットフリックス<NFLX>が堅調。同社は顧客のパスワード共有を取り締まった後も、米国で新規ユーザーを増やし続けていることが、アンテナ社の最新調査から明らかとなった。

 バイオ医薬品のアペリス・ファーマ<APLS>が大幅高。同社の眼科治療薬により、患者が治療後に重篤な炎症が発生したことから、7月中旬以降、同社株は圧迫されている。しかし、同社が最新情報を発表し、それに対してアナリストが、網膜血管炎の発生率は依然として低いと指摘したことが材料視されている。

 フィットネス機器のペロトンが決算を受け大幅安。予想を下回る見通しを示したほか、エクササイズバイクのシートポストのリコール費用は当初の見込みを大幅に上回る見通しも明らかにした。

 アーバン・アウトフィッターズ<URBN>が決算を受け上昇。フリーピープル、アンソロポロジー部門が好調だった。

 医薬品のマリンクロット<MNK>が下落。ここ3年足らずで2回目となる破産法適用の申請を計画していることを明らかにした。

 バイオ医薬品のアーカス・バイオサイエンシズ<RCUS>とアイティーオス・セラピューティクス<ITOS>が大幅高。競合のスイスのロシュが自社の新がん治療薬に関する重要な研究データが誤って公表されたと発表したことが材料視された。メルク<MRK>も上昇。

 アルコール飲料のブラウン・フォーマン<BF.B>が反発。アナリストが投資判断を「買い」に2段階引き上げ、目標株価も従来の66ドルから75ドルに引き上げた。

 半導体のACMリサーチ<ACMR>が大幅に3日続伸。アナリストが同社株に肯定的な見解を示したことが材料視されている。

ネットフリックス<NFLX> 429.49(+16.32 +3.95%)
フットロッカー<FL> 16.24(-6.96 -30.00%)
アペリス・ファーマ<APLS> 40.11(+9.35 +30.40%)
ペロトン<PTON> 5.32(-1.68 -23.96%)
アーバンアウトフィッターズ<URBN> 34.93(+0.84 +2.46%)
マリンクロット<MNK> 0.46(-0.13 -21.48%)
アーカス・バイオ<RCUS> 23.29(+4.48 +23.82%)
アイティーオス<ITOS> 13.96(+2.21 +18.78%)
メルク<MRK> 110.95(+3.72 +3.47%)
ブラウン・フォーマン<BF/B> 69.15(+2.24 +3.35%)
ACMリサーチ<ACMR> 16.39(+1.76 +12.03%)

アップル<AAPL> 181.44(+4.21 +2.37%)
マイクロソフト<MSFT> 327.65(+5.19 +1.61%)
アマゾン<AMZN> 135.14(+0.89 +0.66%)
アルファベットC<GOOG> 133.77(+4.08 +3.15%)
テスラ<TSLA> 237.72(+4.53 +1.94%)
メタ・プラットフォームズ<META> 295.65(+8.05 +2.80%)
AMD<AMD> 109.71(+4.05 +3.83%)
エヌビディア<NVDA> 469.81(+13.13 +2.88%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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