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為替相場まとめ5月1日から5月5日の週

為替 

 1日からの週は、ドル安と円高が交錯。米FOMCやECB理事会など政策金利発表が相次いだ。米FOMCは25bp利上げとともに今後の利上げ停止を示唆、ただ明言は避けていた。株式市場などで期待されていた利下げ開始については否定されている。ECB理事会では25bp利上げを発表。大方の市場予想と一致した。ただ、一部には50bp利上げの意見もあったようだ。ラガルドECB総裁は利上げ継続姿勢を示している。米欧双方とも金融不安のなかで、インフレ抑制への対応姿勢を示す格好となっていた。また、それらに先立って発表された豪中銀は予想外の利上げを発表した。目下の課題はやはりインフレ対応ということが確認されている。きょうの豪中銀金融報告でも、インフレ目標に戻すために必要なことを行うと明言していた。一連のイベントを経て、為替市場ではドル売り圧力が優勢。それとともに円買いの動きが加わっている。各国中銀発表はそれほど市場にサプライズを与えなかったが、米地銀の破綻など金融不安がクローズアップされている。ファーストリパブリック銀行の破綻処理からのJPモルガンによる買収、さらにパックウェスト銀行やウエスタン・アライアンスなど複数の地銀で身売りの可能性などが報じられている。株式市場は不安定化しており、リスク回避による円高圧力が広がった。ドル円は一時133円台と前週末の日銀決定会合後の円安の動きをほぼ解消した。ただ、週末に発表された米雇用統計を受けてドル円は135円台まで一時買い戻されている。


(1日)
 東京市場は、円売りの流れが継続。週明けのアジア市場は、メーデーで多くの市場が休場。中国、香港、シンガポールが休場、豪州も一部地域が祝日となるなど、取引参加者がかなり少ない中で、円売りが継続した。日経平均が寄り付きから上昇し、ドル円、クロス円を支えた。ドル円は朝方の136.14近辺を安値に昼過ぎから午後には136.90台に高止まりした。先週末に約14年半ぶりに150円台に乗せたユーロ円は、150.85近辺に高値を更新した。経営危機が報じられている米中堅銀行ファーストリパブリックバンクの救済期待、日銀の緩和姿勢などが日本株の買いにつながり、リスク選好の動きが広がったもよう。ユーロドルはややドル買いに押されて1.1002近辺まで軟化。

 ロンドン市場は、英欧がメーデーで取引動意に欠ける展開。ドル円は先週末の日銀決定会合後の円売りの流れを受けてロンドン早朝には136.98近辺まで買われた。しかし、137円手前の売りは厚く、ロンドン時間には136.60台へと押し戻されている。クロス円は東京午後に買いがピークアウトしている。ユーロ円は150.85近辺を高値にロンドン序盤には150.30近辺へ、ポンド円は172.01近辺を高値に170.90台まで反落した。ユーロドルは1.10台前半から1.0988近辺まで軟化したあとは1.10台乗せへと下げ渋り。ポンドドルは1.25台後半から1.2515近辺まで下げたあとは下げ一服。ユーロ買い・ポンド売りが入っていた。全般的には調整含みの値動きに終始している。明日の豪中銀理事会を控えて、豪ドルは比較的堅調に推移している。ただ、市場では今回も政策金利を据え置く見方が有力となっている。

 NY市場では、ドルが買われた。米ISM製造業景気指数が予想を上回ったことに反応。特に、雇用指数が50を上回ったことや仕入価格が急上昇したことがドル買いに繋がったようだ。きょうから5月相場に入って、ドル円は先週からの上げを加速させ、137円台半ばまで上昇した。ユーロドルは再び1.09台に下落。ポンドドルも再び1.24台に下落。先週は植田総裁就任後初となる日銀決定会合が行われたが、現状の金融緩和策を据え置いた。これを受けて市場では、日銀が出口戦略に舵を切る時期を後退させる動きが出ている。そのような中、今週の最注目はFOMCということになりそうだ。25bpの利上げが確実視るなかで市場は6月以降のヒントを探している。パウエルFRB議長が利上げ停止の可能性に傾斜するかどうかが注目される。

(2日)
 東京市場では、豪ドルが買われた。豪中銀が予想外の利上げを発表したことが背景。事前の短期金利市場での織り込みは約7割が据え置きとなっていた。サプライズな25bpの利上げ決定に豪ドルは急騰。対ドルは発表前の0.6630付近から0.6710付近まで上昇。対円でも91.20台から92.40付近まで上値を伸ばした。声明では、インフレターゲットへ戻すために引き締めが必要という見解を示された。追加利上げの可能性は示唆したが、経済状況や見通し次第としている。ドル円は豪ドル円の上昇ともに一時137.70台まで買われた。

 ロンドン市場では、ユーロが売られた。ECB四半期銀行貸出調査で、第1四半期の銀行による与信基準の厳格化が予想を超えており、今後のユーロ圏景気に対する警戒感が広がったことが背景。その後発表されたユーロ圏消費者物価指数はほぼ予想通りで、ユーロ売りの流れには変化を与えなかった。今回の貸出調査を受けて、今週のECB理事会での50bpの大幅利上げ観測が後退した。ユーロドルはロンドン早朝に1.10台乗せのあと売りが強まり1.0950台割れとなった。ユーロ円は2008年10月以来の高値151.61レベルをつけたあと、一時150.30台まで下落した。ドル円は東京午後の高値から137.20台まで調整売りが入った。豪ドル円は91.80前後まで下げている。

 NY市場では、リスク回避の円買いが広がった。朝方発表の3月の米求人件数が959万件に減少。2カ月連続で1000万件を下回ったことで、市場はネガティブな雰囲気を強めた。米株式市場で米地銀株が大幅安となり、米銀への根強い懸念も市場を圧迫。米国債利回りや米株式市場も下げ幅を広げる中、為替市場ではドル売りと伴にリスク回避の円買いが強まった。ドル円は137円台を割り込むと一時136円台前半まで下落。ユーロドルは1.09台半ば割れ水準から1.10ちょうど付近まで反発。ポンドドルは1.24台で下に往って来いの上下動。
 
(3日)
 東京市場は憲法記念日の祝日で休場。

 ロンドン市場は、円高とドル安が進行。ドル円は136円付近から135.50台割れへと下落。NY原油先物が一時69ドル台前半と大幅下落となっていることや、米10年債利回りが3.43%台から3.38%台まで低下していることなどがドル円相場を圧迫。クロス円も軟調。ユーロ円は150円付近から149.50台割れ、ポンド円は170円台前半から169.50台割れまで下押しされている。欧州株や米株先物は前日の下落の反動で小高いが、市場全般に見るとリスク警戒の動きが優勢。きょうの米FOMCでは25bp利上げが確実視されているが、昨日の米求人件数の低下を受けて6月会合での据え置き観測が一段と高まっている。ドル相場は売りが先行。前日海外市場からの流れを受けてユーロドルは1.1047近辺、ポンドドルは1.2534近辺まで高値を更新した。足元では米FOMCを控えていることもあって、ドル売りは一服している。この日発表された3月ユーロ圏失業率は6.5%と予想外に前回の6.6%から低下した。過去最低水準となったが、ユーロ相場は特段の反応を示さなかった。

 NY市場は、FOMCを受けてドルが一段と売られた。FOMCでは予想通りに25bpの利上げが実施された。ただ、声明からは追加利上げを示唆する文言が削除され、市場の利上げ停止の観測を裏付ける内容となっていた。しかし、「今後に必要となる追加引き締めの程度は経済次第」とも述べている。パウエル議長の会見では、「銀行の状況は3月上旬以降、広範に改善した。データに基づいて会合ごとに決定する」などと述べていた。「インフレ抑制のプロセスはまだ長い道のり」とのこれまでの言及もあった。また、早期の利下げ開始の可能性には否定しており、株式市場が下落した。ドル円は発表直後に135円台割れも、すぐに135円台後半まで反発。その後は株安とともに円買い圧力を受けて135円台を再び割り込んだ。ドル売り圧力でユーロドルは1.10台を回復、一時1.1090付近まで買われた。ポンドドルは1.25台を回復すると、1.2590付近まで買われた。

(4日)
 東京市場はみどりの日の祝日で休場。

ロンドン市場は、前日からのドル売りが一服し。ECB理事会の金融政策発表を控えて、特にユーロドルに調整が入り、ロンドン朝方に1.1091近辺まで高値を伸ばしたあと、米債利回りの上昇を受けて1.1037近辺まで下押しされた。その後は1.10台後半へと再び上昇。ポンドドルも1.2593近辺まで買われたあとは1.2553近辺まで反落。ただ、対ユーロでのポンド買いが入っており、下げ幅はユーロドルほどではなかった。ドル円は東京午後からロンドン早朝にかけて134.15近辺まで下押しされ前日からの安値を広げたが、その後は134.82近辺まで反発。134円台半ばに落ち着きどころを見出している。欧州株はマイナス圏推移、米株先物は前日の下落から反発も、戻りは限定的。昨日の米FOMC後のパウエル議長会見では早期の利下げ開始について否定的だった。株式市場では利下げ開始を期待しすぎた面もあったようだ。また、米地銀パックウェスト株の下落が金融不安を再燃させた面もあった。ただ、ECB理事会を控えた様子見もあって、調整含みの値動きが続いている。

 NY市場はリスク回避の円高の動き。米地銀への懸念が再燃したことが背景。パックウェストやウエスタン・アライアンスなどが身売りの可能性など選択肢を検討と報じられている。ウエスタン・アライアンスは報道を否定したが、市場では米地銀への不信感が再燃している。ドル円は前日のFOMC後の売りに加えて、リスク回避の円高圧力が重石となり一時133円台半ばに下落。先週末の日銀決定会合後の円安の動きを消した。ユーロドルは1.10台後半から1.09台後半まで下落。ECB理事会では大方の予想通りに25bpの利上げを実施した。一部のタカ派な理事からは50bpの利上げの主張もあったようだが、最終的に全会一致で決まったようだ。ECBはFRBとは違い、追加利上げの可能性を強調している。ラガルド総裁は会見で、利上げを止めるつもりはないとの認識を強調していた。資産購入プログラム(APP)で購入した債券の満期償還金の再投資を7月に停止する方針も示した。ポンドドルは11カ月ぶりの高値となる1.2595近辺まで買われた。対ユーロでのポンド買いが強まっていた。

(5日)
 東京市場は子供の日の祝日で休場。

  ロンドン市場は、落ち着いた相場展開。米雇用統計待ちのムードが広がるなかで、欧州株や米株先物・時間外取引が堅調に推移し、米債利回りも小幅に上昇、原油先物も反発している。リスク警戒の動きは一服している。ドル円はアジア市場で134.31近辺から133.89近辺まで下げていたが、ロンドン時間には134.20台まで反発している。ユーロ円は148円付近での取引が続く中で147.69から148.13でのレンジ取引。ポンド円は買いが先行し、169.40付近まで買われたあとは168円台後半から169円台前半での振幅にとどまっている。米債利回りの上昇とともにユーロドルは1.1050付近が重くなり、1.10台前半で揉み合っている。ポンドドルは1.2634近辺に高値を伸ばしたあとは1.26台前半に高止まり。ポンドは前日からの対ユーロでの堅調な流れが継続している。この日発表されたドイツ製造業新規受注、フランス鉱工業生産、ユーロ圏小売売上高など一連の欧州経済統計はいずれも弱含んだが、指標に対するユーロ売り反応はほとんど見られなかった。ECB専門家調査では2025年インフレ見通しが2.2%に引き上げられ、インフレ目標達成が後ずれした。

 NY市場でドル円は急速に買い戻しが膨らみ、一時135円台を回復する場面も見られた。この日発表の4月の米雇用統計がマクロ環境の逆風にもかかわらず、米労働市場が力強さを維持していることが示されたことから、ドルの買い戻しが強まっている。ただ、きょうのところは135円の水準は強い上値抵抗となった模様。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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