欧州金融不安でユーロが下落、ドル円も一時129円台へ=ロンドン為替概況
欧州金融不安でユーロが下落、ドル円も一時129円台へ=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ユーロ売りが主導して円高・ドル高が進行している。欧州の金融不安が拡大しており、ドイツ銀行株は一時14%安と急落。銀行株が全面安となっている。独仏株価指数はいずれも2%を超える下げ。欧州債や米国債が買われ、利回りは低下している。USBがクレディスイスを買収することで、クレディスイスのAT1債が無価値化する。これを嫌って投資家は主要銀行のAT1債売りに走っている。CDSは上昇しており、危機的な様相を呈している。ユーロ相場は欧州株の取引き開始とともに急落。ユーロドルは1.08台前半から1.07台前半へ、ユーロ円は141円台前半から139円手前水準へと下落。その他主要通貨に対してもユーロは売られている。リスク回避の円買いやドル買いが波及して、ポンドドルは1.22台後半から1.22台割れへ、ポンド円は160円付近から158円台前半へと下落。ドル円は130円の節目水準を割り込むと129.60台まで下押しされ、年初来の安値水準を更新している。3月ユーロ圏PMI速報値は改善、同英国PMI速報値は低下したが、市場反応はほとんどみられず。リスク動向に視線が集まる展開になっている。
ドル円は130円付近での取引。東京朝方につけた130.94近辺の高値から上値重く推移している。ロンドン時間に入ってからも株安などリスク回避の展開となり、130円台を割り込んだ。一時129.64近辺と年初来安値を更新している。欧州株安、米債利回り低下などがドル円の上値を抑えた。足元では130円付近へと下げ一服。
ユーロドルは1.07台前半での取引。東京市場では1.08台前半で静かな取引が続いたが、欧州株の下落スタートともに売りが強まった。1.08台を割り込むと1.0713近辺まで安値を広げている。ユーロ円は141円台割れから139.07近辺まで下落。対ポンドでもユーロは軟調。欧州金融不安が広がっており、ドイツ銀株が一時14%安となるなど、銀行株主導で欧州株が下落している。
ポンドドルは1.22付近での取引。1.22台後半での揉み合いを下放れると1.2191近辺まで下押しされている。ポンド円は160円ちょうど付近から158.27近辺に安値を広げた。ユーロポンドは0.88台前半から0.87台後半へと軟化している。ユーロにつれ安となる格好。英PMI速報値は製造業が弱く、低下したが、ポンド独自の反応はみられなかった。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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