ドル円は一時131円台に下落 不信感が根強い=NY為替
きょうのドル円はNY時間に入って戻り売りが強まり、一時131円台に下落した。前日の安値が131.70円付近にあり、試しに行くか注目される。
今週は金融システムを巡って波乱の1週間となったが、クレディスイス問題はスイス中銀の支援、米地銀も米政府を中心に具体的な支援策が打ち出されたことから、ひとまず落ち着きを取り戻している。しかし、市場の不信感は根強く、ドル円の上値は重い。米株式市場も銀行株への売りが続くなど軟調に推移しており、ドル円を圧迫している。
米銀行への最後の貸し手であるFRBが前日に連銀貸出の結果を発表していたが、2つの貸出制度を通じて3月15日までの1週間で計1648億ドルを貸し出していた。2008年の金融危機時に記録した1110億ドルを上回っている。これはSVBの破綻で米中小金融機関の資金調達状況が悪化したことを示す。
また、今後、金融機関の融資基準が厳格化されることが予想され、中小企業を始めとした米企業の資金繰りが悪化し、経済全体へのマイナス面も指摘されている。
FRBは来週にFOMCを開催するが、0.25%ポイントの利上げが有力視され、現状は70%程度の確率で市場は織り込んでいる。しかし、その後については慎重なアプローチも強調してくるのではとの見方もあるようだ。ただ、早期利下げ開始の選択肢までは、いまのところ有力視されていない。
USD/JPY 132.07 EUR/JPY 140.52
GBP/JPY 160.49 AUD/JPY 88.27
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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