アップルがインドでの生産に一部シフトを検討と伝わる=米国株個別
きょうのNY株式市場は売りが強まる中、アップル<AAPL>も軟調な動きとなっている。同社は、米中関係が悪化し、中国のゼロコロナ政策がサプライチェーンを混乱させる中、インドで一部のアイパッドの生産を行うことについて、インド政府と協議していると伝わった。同社はすでに旧型のアイフォーンと一部のアイフォーン14sをインドで製造している。
アップルはアイパッドの生産の一部を中国からインドに移管する選択肢を探っており、関係者と継続的な協議を行っているという。具体的な計画はまだないが、もし成功すれば、インドにおける同社の足跡が拡大することになる。アップルは今年初め、インド南部で旗艦モデル「アイフォーン14」の組み立てを開始したと発表。
中国からサプライチェーンの多くを多様化するという同社の野望は、北京の厳しいゼロコロナ政策の中で、過去2週間に渡って国中で行われた抗議デモに続くものとなっている。
しかし、高度な技術を持つ人材や、アイパッドのような非常に複雑なデバイスの製造に精通した人材がインドでは不足しており、計画は遅れが出る可能性もあるという。また、インドと中国の間で緊張が高まっていることも、外交政策上の背景となっている。両国は近年、領土問題をめぐって対立し、インドと中国の国境に軍事的なプレゼンスが高まっている。
アナリストからは、アイフォーンの10%が今後インドで生産されると予想されるが、生産量の増加は緩やかなペースに留まるという。ただ、5年後には35%がインドで生産されるようになるとも付け加えた。同社は今後5年間で、インドと中国以外の国でもアイフォーンの生産を行うようになると思われ、恐らくベトナム、マレーシア、アメリカなどになるという。
(NY時間13:34)
アップル<AAPL> 146.66(-1.15 -0.78%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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