黒田発言などで一時円が買われる、その後ドルの買い戻しも上値重い=東京為替概況
黒田発言などで一時円が買われる、その後ドルの買い戻しも上値重い=東京為替概況
ドル円は148円台前半から147円10銭台まで午前中に値を落とし、その後少し買い戻しが入ったものの、上値の重い展開となった。今晩FOMCの結果発表を控え、様子見ムードが広がることが見込まれていたが、黒田日銀総裁が衆院財政金融委員会で、物価目標が見通せるのであれば前段階でイールドカーブコントロール(YCC:長短金利操作)を柔軟化していくことは、一つのオプションとしてありうると発言したことを材料視して円買いが広がった。
現状について、金融緩和を継続することで日本経済を支えることが適切との姿勢を崩していないが、将来の話とはいえYCC柔軟化にふれたことが市場の反応につながった。FOMCを前にして様子見に回った参加者が多く、動きが大きくなりやすくなっていた面も。その後の買い戻し局面では、147円台半ばがいったん重くなり、午前中は147円台前半推移。昼頃に147円半ばをしっかり超えると、午後はいったん上昇基調が強まり、147円70銭手前まで。
もっとも、黒田発言の影響が海外市場でも出てくるとの思惑などから上値が重くなり、147円台半ば割れに。
円買いの動きが主導で、クロス円も軒並みの下げに。ユーロ円は朝の146円台半ばから145円50銭台まで。午後に入っての調整局面で146円手前が重くなっている。ポンド円は170円30銭台から169円30銭台まで。その後170円が重くなっている。
基本的に円主導の動きであるが、ドル円の下げもあり、ドルは若干軟調。ユーロドルは朝の0.9870前後から昼過ぎに一時0.9900を付けた。
MINKABU PRESS 山岡和雅
執筆者 : MINKABU PRESS
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