ドル円147円台後半に上昇、黒田総裁発言と米債利回り上昇で=ロンドン為替概況
ドル円147円台後半に上昇、黒田総裁発言と米債利回り上昇で=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル高とともに円安が進行。ドル円は146円台半ばから147円台後半へと上伸している。この日の日銀決定会合では市場想定通り金融政策が据え置かれた。注目の黒田日銀総裁会見では、超緩和政策の継続姿勢が堅持されている。特に、「今すぐ利上げ・出口来るとは考えていない」との発言が円売りを誘った。また、日銀は11月の国債買い入れ四半期予定で、超長期ゾーンの回数を増加させた。四半期予定を初めて変更している。市場は緩和策の強化と受け止めたもよう。ドル円とともにクロス円も買われ、ユーロ円は146円付近から一時147円台乗せ、ポンド円は169円付近から170円台前半へと上昇している。全般的にドル買い圧力も広がった。米10年債利回りが3.92%付近から一時4.01%台まで上昇したことが背景。ユーロドルはパリティ付近が重くなると、0.9927近辺まで下押しされた。ポンドドルも1.16付近で上値を抑えられ、1.1504近辺まで一時下落。その後はクロス円の上昇もあって売買が交錯。ECBが専門家予測調査を公表し、2022年から24年にわたるインフレ見通しが引き上げられた。一方、2022年GDP見通しが小幅に引き上げられたものの、23-24年見通しは引き下げられている。失業率見通しも調査対象期間を通して引き上げられた。昨日のECB理事会ではインフレ抑制のために75bpの大幅利上げが発表され、今後の追加利上げも示唆された。欧州の成長見通しに不透明感が広がっている。
ドル円は147円台後半での取引。日銀決定会合での金融政策据え置き発表をめぐり146円台で方向感に欠ける神経質な振幅をみせた。その後の黒田日銀総裁会見に注目が集まった。総裁は超緩和政策の継続姿勢を堅持。「今すぐ利上げ・出口来るとは考えていない」としたことに円売りが強まった。147円台乗せからロンドン序盤には147.86レベルまで上伸。その後も高止まりしている。米債利回りが上昇したことも加わった。
ユーロドルは0.99台半ばでの取引。東京市場で1.0000付近で上値を抑えられると、その後は軟調な流れに。ロンドン序盤に0.9927レベルまで下押しされた。米10年債利回りが4.01%台へと上昇、ドル買い圧力となっている。ユーロ円は堅調。ドル円とともに買われて、146円ちょうど付近から一時147.19レベルまで上昇した。対ポンドではややユーロは軟調。ECB専門家予測調査では、インフレ見通し引き上げ、来年以降の成長見通し引き下げ、失業率見通し引き上げと厳しい経済見通しが示されている。
ポンドドルは1.15台前半での取引。東京市場で1.16付近が重くなるとその後は軟調な流れとなった。ロンドン序盤には1.1504レベルまで安値を広げた。その後は下げ一服も、1.1550近辺には届かず。ポンド円はドル円とともに上昇。169円付近から170円台乗せとなり、高値を170.47レベルに更新した。ユーロポンドは上値重く推移。0.8650近辺を高値に0.8610台まで軟化している。ポンド関連に目立った材料はでていないが、トラス前政権からスナク政権に交代したあとのポンド買い圧力は根強いようだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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