債券購入巡り混乱のポンドは堅調に、ドル円は146円台半ばへ上昇 米生産者物価の発表控えて=ロンドン為替概況
債券購入巡り混乱のポンドは堅調に、ドル円は146円台半ばへ上昇 米生産者物価の発表控えて=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ポンドが堅調。英中銀は予定通り14日で英長期債一時購入を終了すると表明。一方、LDIの状況を監視しつつ、14日以降も新たな流動性支援措置を講じるとしている。欧州株、米株先物ともに序盤の下げを消しており、リスク動向的には好感されているようだ。英30年債利回りは債券購入開始以来、初の5%台へと上昇。ポンドドルは1.10を挟んだ上下動から上放れて1.11台目前まで上昇。ポンド円も160-161円での神経質な振幅から162円台乗せへと買われている。前日のNY市場後半のポンド売りを解消する動きになっている。ユーロドルは0.97台前半を中心に狭いレンジ取引となっている。対ポンドではユーロ安、対円ではやや円安方向に振れている。ドル円は146.56近辺に高値を伸ばしている。米債利回り上昇に反応するとともに欧州株高で円安となる面も指摘される。問題は上昇のスピード。146円ちょうど付近からゆっくりと着実に上昇する動きとなっており、日銀の為替介入が入るタイミングを計りにくい状況となっている。このあと、日本時間午後9時30分には9月米生産者物価指数が発表される。
ドル円は146円台半ばでの取引。東京市場で146.39レベルまで高値を伸ばしたあとはロンドン朝方にかけてはやや売りに押された。ただ、146円付近ではサポートされており、ロンドン昼にかけてはじりじりと上昇。146.56レベルまで高値を伸ばしてきている。24年ぶりの高値水準となっており、9月22日に実施された日銀の円買い介入時の水準よりもさらに円安方向に振れている。
ユーロドルは0.97付近での取引。ドル円やポンドドルの上昇に挟まれて、方向感に欠ける取引。0.97付近から0.97台前半での揉み合いに終始している。ユーロ円は振幅もやや円安方向への動き。141.75近辺まで軟化したあとはドル円とともに買われ、高値を142.37近辺へと伸ばしている。対ポンドでは軟調に推移。
ポンドドルは1.10台後半での取引。東京午後に1.09台半ばから1.10台半ばへと買われる場面があった。英中銀が債券購入策を14日以降も延長するとの観測が広がったことが背景。その後1.10を挟んで神経質に上下動したあと、ロンドン市場では1.1099近辺まで買われている。英中銀は予定通り債券購入を14日で終了するが、それ以降もLDIの状況を監視しつつ新たな流動性支援措置を講じることを表明した。ひとまず債券購入をめぐる市場の混乱は一服した。ポンド円は160円付近の安値から162円台前半へと上昇。ユーロポンドは0.88台半ばから0.87台半ばまで下落している。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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