ドル円が反落、当局の介入を警戒 ドル高全般にやや調整=ロンドン為替概況
ドル円が反落、当局の介入を警戒 ドル高全般にやや調整=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、前日のドル高の動きに調整が入っている。ドル円の下げが主導。鈴木財務相や神田財務官から相次いで過度の変動や投機的な動きに対してあらゆる選択肢を用意しており、為替介入も辞さない姿勢が示されている。さらに、東京市場では日銀によるレートチェックが実施されたと報じられている。レートチェックは介入の前段階のものとみられている。ドル円は東京市場で144.96近辺まで買われたが、再び145円を付けることなく反落。ロンドン時間に入ると143円台割れから142.90近辺まで下押しされ、今日の高値から2円超の下落となった。ユーロドルなどその他主要通貨に対してもドル売りと円買いの動きが入っている。ユーロドルは0.9956近辺まで下押しされたあとは、1.00台前半へと下げ渋り。ポンドドルは一時1.15台を割り込んだが、その後は1.1550超え水準へと反発している。クロス円は円買いが先行。ユーロ円は一時143円台割れ、ポンド円は165円台割れとなった。ただ、米株先物が時間外取引で反発しており、リスク警戒の動きは緩和されている。クロス円の下げは次第に一服。この日発表された8月英消費者物価指数は前年比+9.9%と前回の10.1%からは伸びが鈍化したが、水準そのものは依然として高かった。ポンド相場は反応薄だった。
ドル円は143円台前半での取引。前日NY市場では米消費者物価指数が予想を上回る伸びだったことをうけて、来週の米FOMCでの大幅利上げ観測が台頭、ドルが急伸した。ドル円は141円台後半から144円台へと急伸した経緯がある。今日も東京市場で144.96レベルまで高値を伸ばしたが、145円台には届かず反落。鈴木財務相や神田財務官らがこれまでよりも強い姿勢で円安けん制発言を行った。また、日銀が銀行に対してレートチェックを実施したとの報道もあった。市場では為替介入の可能性が意識されており、円高方向へと押し戻されている。ロンドン序盤には一時142.90レベルまで下押しされ、高値から2円以上の下げとなった。
ユーロドルは1.00付近での取引。前日のNY市場で1.01台後半からパリティ割れへと下落。東京市場ではパリティ水準を回復と下げ渋った。ロンドン朝方には再び0.9956レベルまで下押しされたが、その後は買戻しが優勢となり1.0023近辺まで一時上昇した。ユーロ円は軟調。ドル円の下げとともに東京午後には144円台割れ。ロンドン序盤には142.92レベルまで下値を広げた。その後は下げ一服となり143円台前半で取引されている。対ポンドでは売りが優勢。
ポンドドルは1.15台半ばでの取引。前日NY市場で1.17台前半から1.15台割れまで下落。東京市場で下げ一服となったが、ロンドン序盤には再び1.1480レベルまで下押しされた。その後は買戻しが優勢となっており、1.1570台まで一時反発している。ポンド円は166円台半ばが重くなると東京午後には166円台割れ。ロンドン序盤には164.83近辺まで下値を広げた。その後は166.80付近まで買い戻され、下げ一服に。ユーロポンドは0.8680付近から0.8650台へと軟化、ポンド買いが優勢になっている。この日発表された8月英消費者物価指数は前年比+9.9%と前回の+10.1%からは伸びが鈍化したが、依然として二桁近い高水準だった。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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