ドル円の上昇が継続、144円台後半へ ポンドはトラス政策にらんで軟調=ロンドン為替概況
ドル円の上昇が継続、144円台後半へ ポンドはトラス政策にらんで軟調=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル円の上昇が継続している。東京午後に144.38レベルの高値をつけたあとはしばらく144円を挟む揉み合いが続いた。ロンドン序盤は米債利回りの上昇も一服。しかし、ロンドン昼に向けて再びドル円は動意付き144.80近辺に高値を更新。24年ぶりの高値水準を付けている。クロス円もじり高となり、円が全面安商状となっている。ユーロ円は163円台乗せ、豪ドル円は97円台乗せ、カナダ円は110円の節目水準に上昇。そのなかではポンド円の上昇は鈍い。166円付近まで買われたあとは、165円台円半ばに反落している。ポンドドルが1.15台乗せから1.1420付近へと下押しされ、対ユーロでもポンドが軟調に推移している。一連の英中銀高官による議会証言では、昨日発表されたトラス新首相のエネルギー価格上限設定法案のインフレ抑制効果が期待された。英2年債利回りが低下、英利上げペース鈍化観測がポンド売りの背景となっているようだ。
ドル円は144円台後半での取引。ロンドン序盤は144円ちょうどを挟んだ揉み合いが続いた。ロンドン昼にかけて再び動意づくと、東京高値144.38レベルを上回り、144.80近辺に高値を更新している。クロス円の上昇も伴っており、ドル買いと円売りが併存している。ロンドン朝方には鈴木財務相や松野官房長官が円安けん制発言をしていたが、特段の反応はみられなかった。
ユーロドルは0.99近辺での取引。前日の下落したあと、ロンドン序盤には0.9930近辺まで反発した。その後は再び上値が重くなり0.98台後半へと押し下げられている。ユーロ円は142円台後半でじり高の動きをみせたあと、ドル円の上昇とともに143.30付近に高値を伸ばしている。対ポンドでもユーロは堅調。明日のECB理事会を控えて、ユーロ独自の値動きは手控えられているようだ。第2四半期のユーロ圏GDP確報値は予想外に上方改定されたが、反応薄だった。
ポンドドルは1.14台前半での取引。序盤は買戻しが入り、1.1520台まで反発した。しかし、次第に上値が重くなり1.1420付近へと下落。ポンド円は166円台を付ける場面があったが、その後は165円台半ば割れまで反落した。ユーロポンドは0.8620付近から0.8660付近に上昇。総じてポンドが軟調。トラス英首相のエネルギー価格上限設定策によるインフレ抑制効果が期待されたことが背景。政策金利動向に反応しやすい英2年債利回りが低下、10年債との逆イールド状態が解消されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。