ユーロ主導でドル買いに、欧州高インフレとエネルギー危機を懸念 ドル円138円台後半=ロンドン為替概況
ユーロ主導でドル買いに、欧州高インフレとエネルギー危機を懸念 ドル円138円台後半=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル買いが優勢。ユーロ売り・ドル買いの動きが主導している。ユーロドルは1.0050手前で上値を抑えられるとパリティ割れから0.9970台へと下押しされている。ポンドドルも1.17手前まで買われた後は売りの流れに転じ、1.1610台へと下落。ドル円は連れ高となり、138.20台から138.90付近へと買われた。米10年債利回りが3.09%付近から3.19%付近へ上昇する動きがドル買い圧力となった。また、欧州経済への不透明感が欧州通貨売りを誘った面も。8月のイタリアとユーロ圏消費者物価が予想以上の上昇となり、ナーゲル独連銀総裁は、この結果を受けて「ECBは9月に強力な利上げが必要に、来週は決定的な行動が緊急に必要だ」と表明した。また、きょうから9月2日までロシアがノルドストリーム1のガス供給をメンテナンスのため停止するとしており、欧州天然ガス先物が上昇。2日以降の停止リスクも不安材料となっている。欧州株は買い先行も、下落へと転じている。
ドル円は138円台後半での取引。東京市場からの軟調な流れを受けてロンドン朝方に138.27レベルまで安値を広げた。しかし、その後は米債利回りの上昇とともに買われて138.89レベルまで高値を伸ばしている。米10年債利回りは3.09%付近から3.16%付近まで急上昇した。
ユーロドルは0.99台後半での取引。東京午後に1.0046レベルまで買われた後は、流れが下向きに転じている。いったん1.0000付近で跳ね返されて1.0020台まで反発する場面があったが、その後は再び下落。0.9972レベルに安値を広げている。ドル買いとともにユーロ売りの圧力も加わった。ユーロ円は139円近辺が重くなると振幅しながらも安値を138.27レベルまで広げた。その後も138円台半ばと上値は重い。対ポンドでは方向感無く神経質に振幅した。
ポンドドルは1.16台前半での取引。ユーロドルと同様に上値重く推移。東京午後に1.1694近辺まで買われたあとは、流れが売りに転じている。1.1613近辺に安値を広げた。ポンド円は162円手前で上値を抑えられるとじり安となり、ロンドン市場では161.11近辺まで下押しされている。ユーロポンドは0.8570付近から0.86台乗せ水準で神経質に振幅している。この日はポンド独自の材料は目立たなかった。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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