ドル安・円安が優勢、欧州株や米株先物・時間外取引が堅調で ドル円は136円台前半揉み合い=ロンドン為替概況
ドル安・円安が優勢、欧州株や米株先物・時間外取引が堅調で ドル円は136円台前半揉み合い=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル安・円安の動きが優勢。序盤に売りが先行した欧州株が上昇に転じている。米株先物も時間外取引で堅調な推移に。NY原油先物は93ドル付近まで下落したあと、96ドル付近まで反発している。米10年債利回りは2.77%付近から一時2.81%付近まで上昇。全般的にリスク警戒の動きは後退している。ロシアが「欧州向けガス供給遮断には関心ない」「オデーサ港へのミサイル攻撃は軍事施設に対するもの、穀物輸出に影響ない」などと表明したことが好感されたようだ。ただ、この日発表された7月独Ifo景況感指数は88.6と約2年ぶりの低水準に落ち込んだ。ドイツは景気後退の瀬戸際、エネルギー価格高騰とガス不足が経済に重石と分析していた。7月英CBI製造業受注指数はプラス8と、2か月連続の低下だった。また、内閣府経済財政諮問会議は今年度のGDP成長率見通しを実質プラス2.0%程度へ下方修正した。従来は3.2%だった。ロシアの軍事侵攻、中国の外出制約などの影響とした。ドル円は136円台前半でほぼ無風状態。一方、ユーロ円は139円付近での振幅から139円台後半へと上昇、ポンド円は163円台前半から164円台後半へと堅調に推移。ユーロドルは1.02台挟みの水準から一時1.0250台まで買われた。ポンドドルは1.19台後半から1.20台後半へと上昇。ユーロ関連ではラトビア中銀総裁が、9月の大幅利上げの可能性を示唆したが、発言自体への反応は一時的にとどまっていた。
ドル円は136円台前半での取引。東京市場で135.89から136.61でのレンジを形成したあとは、方向性に乏しい取引が続いている。ロンドン時間に入ってからは欧州株が堅調に推移しているが、136.20台から136.50近辺までの狭いレンジにとどまっている。
ユーロドルは1.02台前半での取引。1.02ちょうどを挟んだ上下動のあとで1.0254レベルまで高値を伸ばした。その後は1.02台前半に押し戻されているが、底堅い値動きになっている。ユーロ円は139円割れでは買いが入り、139.82レベルまで買われた。その後は139円台前半まで反落も、再び139円台後半へと上昇している。対ポンドではユーロは軟調。独Ifo景況感指数が予想以上に落ち込んだことが重石となっている。ラトビア中銀総裁が9月の大幅利上げを示唆したが、ユーロ買い反応は一時的だった。
ポンドドルは1.20台後半での取引。1.19台後半から1.20台に乗せると買いが勢いづいている。いったん1.2050台で上値を抑えらえたが、足元では再び買われて1.2080付近に高値を伸ばしている。ポンド円は163円台前半から上昇の流れが続いており、足元では高値を164.70台まで伸ばしている。ユーロポンドは0.8520台から軟化して、0.8480付近へと下押しされている。英CBI製造業受注指数は2か月連続の低下とさえない結果だったが、市場では英国の景況感が欧州ほどは落ち込んでいないとみていることが反映されているもよう。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。