ダウ平均はプラスに転じる ＦＯＭＣ議事録への反応は限定的＝米国株後半

NY株式6日（NY時間15:53）
ダウ平均　　　30998.73（+30.91　+0.10%）
ナスダック　　　11338.03（+15.79　+0.14%）
CME日経平均先物　26325（大証終比：+325　+1.24%）

　ＮＹ時間の終盤に入ってダウ平均はプラスに転じている。市場ではリセッション（景気後退）への懸念が高まっており、前日の米国債利回りは再び逆イールドを示現していた。ただ、前日の米株式市場は後半に下げ渋ったことから、市場も今後の方向感を見極めたい雰囲気も出ている。

　下値ではＩＴ・ハイテク株中心に押し目買いも出て、ＦＯＭＣ議事録での波乱もなかったことから、次第に買い戻しが広がっている格好。ただ、買戻しを強める動きまでは見られてない。

　そのＦＯＭＣ議事録だが、それ自体への株式市場の反応は限定的。議事録では、７月ＦＯＭＣで０．５０％または０．７５％ポイントの引き上げの可能性に言及していた。全体的にタカ派な期待を裏付ける内容ではあるものの市場は、今月のＦＯＭＣでの０．７５％ポイントの利上げを確実視するなどＦＲＢの積極利上げ自体をかなり織り込んでおり、反応も限定的となったものと見られる。

　きょうも原油相場が戻り売りを強め、株式市場ではエネルギー株が下落している。半面、原油相場や穀物相場にピークアウト感が本格的に出るようであれば、市場が最も望んでいるインフレ鈍化への期待が台頭し、良いニュースとなる。

　今週から本格的に下期相場入りとなったが、上期の株式市場は１９７０年以来の最悪の展開となった。下期も一段の下落を見込む声も依然として多いが、どのような展開になるのか、ひとまず見極めたいムードも出ているようだ。

　インクジェット・プリンターのコーニット・デジタル＜KRNT＞が急落。前日引け後に４－６月期（第２四半期）の暫定決算を公表し、予想を大きく下回った。

　イスラエルの防衛電子機器メーカーのラダ・エレクトロニック＜RADA＞が大幅安。同社はレオナルドＤＲＳ＜DRS＞との合併を考慮し、２０２２年度の通期見通しを撤回すると発表したことが嫌気されている。

　オンライン中古車販売のカーバナ＜CVNA＞が下落。アナリストが欧米のオンライン中古車販売企業の業績予想と目標株価を引き下げた。

　製・パルプのレゾリュート・フォレスト・プロダクツ＜RFP＞が急騰。カナダの同業ペーパー・エクセレンスが同社を現金１６億ドルで買収することで合意した。

　電気自動車（ＥＶ）のリビアン・オートモーティブ＜RIVN＞が大幅高。取引開始前に４－６月期（第２四半期）および通期の出荷および生産台数の暫定値を公表し、第２四半期の生産台数は４４０１台と第１四半期の２５５３台からの加速を示した。

　ウーバー＜UBER＞、ドアダッシュ＜DASH＞といった配車サービスの銘柄が下落。フードサービスのグラブハブがアマゾン＜AMZN＞と提携し、米国のプライムユーザーにフードデリバリーサービスの１年会員権を提供する契約を締結したことが嫌気されている。

　クルーズ株が下落。この夏の需要は大盛り上がりになっているものの、リセッション（景気後退）が警戒される中で下期のクルーズへの需要減に対する懸念が出ている模様。

ラダ・エレクトロニック＜RADA＞　7.70（-1.34　-14.82%）
コーニット＜KRNT＞　23.41（-8.16　-25.84%）
カーバナ＜CVNA＞　26.26（-1.32　-4.79%）
レゾリュート＜RFP＞　20.38（+7.89　+63.17%）
リビアン＜RIVN＞　29.58（+2.72　+10.11%）
ウーバー＜UBER＞　21.45（-1.07　-4.75%）
ドアダッシュ＜DASH＞　68.83（-6.07　-8.10%）

カーニバル＜CCL＞　8.76（-0.63　-6.66%）
ロイヤル・カリビアン＜RCL＞　33.75（-2.55　-7.02%）
ノルウェージャン＜NCLH＞　11.26（-1.21　-9.67%）

アップル＜AAPL＞　142.57（+1.01　+0.71%）
マイクロソフト＜MSFT＞　265.35（+2.50　+0.95%）
アマゾン＜AMZN＞　113.94（+0.44　+0.38%）
アルファベットC＜GOOG＞　2299.55（+21.81　+0.96%）
テスラ＜TSLA＞　692.60（-6.60　-0.94%）
メタ・プラットフォームズ＜META＞　169.15（+0.96　+0.57%）
ＡＭＤ＜AMD＞　75.14（-0.07　-0.09%）
エヌビディア＜NVDA＞　150.52（+0.88　+0.59%）
ツイッター＜TWTR＞　38.10（-0.28　-0.73%）

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美