FX/為替「円ひとり負けで133円も」 外為トゥデイ 2022年6月7日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2022年6月7日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼6日(月)の為替相場
(1):中国経済指標 予想下回る
(2):日銀総裁 金融緩和継続発言
(3):英政治的混乱 落ち着く見方からポンド買い
(4):ドル/円 132.01円前後まで上伸
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:133円台に乗せる可能性も/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
6日(月)の為替相場
期間:6日(月)午前7時00分~7日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):中国経済指標 予想下回る
中国5月財新サービス業PMIは41.4と予想(46.0)を下回る結果となった。新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)が上海などで概ね解除される中、4月の36.2からは持ち直したものの、予想ほどには上昇しなかった。
(2):日銀総裁 金融緩和継続発言
黒田日銀総裁は「金融引き締めを行う状況には全くない」「強力な金融緩和を粘り強く続ける」と発言。さらに「安定的な円安は経済全体としてみればプラスに作用する可能性が高い」とも発言したことから円売りが優勢となった。
(3):英政治的混乱 落ち着く見方からポンド買い
英保守党議員委員会は「コロナ禍でのパーティを巡り本日夜にジョンソン首相の信任投票を行う」と発表。投票によって政治的混乱がようやく落ち着くとの見方から、ポンドは買いが優勢となった。なお、信任投票の結果は211対148でジョンソン首相の保守党党首としての続投が決まった。
(4):ドル/円 132.01円前後まで上伸
米10年債利回りが大幅に上昇し、節目の3.00%を上回ったことで、ドル/円は5月9日高値の131.35円前後を突破。その後、米10年債利回りが3.05%前後まで上昇すると132.01円前後まで上伸して2002年4月以来の高値を更新した。
6日(月)の株・債券・商品市場
外為注文情報
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本日の見通し
ドル/円の見通し:133円台に乗せる可能性も
昨日のドル/円は一時132円台に上昇した。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げがハイペースで進むとの観測から米長期金利が上昇する中でドルが買われた一方、日銀は金融緩和を続けるとの見方から円が売られた。改めて日米金融政策の方向性の違いに焦点が当たる中、132.01円前後まで上伸して2002年4月以来の高値を付けた。
本日は豪中銀(RBA)が追加利上げを発表する公算で、9日には欧州中銀(ECB)も7月の利上げ開始に向けて地ならしを行うと見られている。金融政策面から、円が「ひとり負け」になりやすい地合いだろう。
本日から総額960億ドルの米債入札が始まるほか、10日に発表される米5月消費者物価指数(CPI)の高止まりが見込まれることなどから米長期金利が上昇しやすく、ドルが買われる地合いも続きそうだ。ドル/円は一気に133円台に乗せる可能性もないとは言えないだろう。
注目の経済指標
注目のイベント
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