ドル円115円台後半に上昇、日銀が10年国債の指値オペ実施へ=ロンドン為替概況
ドル円115円台後半に上昇、日銀が10年国債の指値オペ実施へ=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル売りと円売りの動きが広がっている。朝方からドル売りが先行。ポンドドルは1.35台前半から後半へ、ユーロドルは1.14台前半から半ば付近へと上昇。この動きとともに、ポンド円やユーロ円もやや水準を上げた。欧州株や米株先物は米消費者物価指数の発表待ちで小動きではあるが、底堅さもあって安定した推移となっている。この局面ではドル円は115.60付近で売買が交錯していた。そこに日銀が14日に10年国債の指値オペを無制限で実施すると発表、0.25%で長期債利回りの上昇を食い止める措置が示された。市場は一気に円売りに傾き、ドル円は115.88レベルと、1月7日以来の高値水準まで上伸した。クロス円も一段高。ポンド円は157円台乗せ、ユーロ円は132.60近辺へと高値を伸ばした。ユーロは対ポンドでは軟調。レーン・フィンランド中銀総裁は、金融政策の正常化は段階的に一歩ずつ進めるのが良いと、やや慎重な発言。EU経済見通しでは今年の成長見通しが引き下げられ、インフレ見通しは引き上げられた。一方、来年は成長見通し引き上げとともに、インフレがECB目標2%を下回る見通しが示された。インフレとエネルギー価格の大幅上昇は、供給や労働市場のボトルネックとともに成長を抑制、東欧の地政学的な緊張に見通しがより著しく悪化、などとしていた。
ドル円は115円台後半での取引。ロンドン序盤は115.60付近で売買が交錯したが、日銀が10年国債の指値オペ実施について発表すると一気に115.88レベルまで買われた。その後も115.80付近に高止まりして、米消費者物価指数の発表待ちとなっている。
ユーロドルは1.14台前半での取引。序盤は買いが先行し、1.1420近辺から1.1446レベルまで買われた。その後は上昇一服となっている。ユーロ円はドル円とともに買われ、132.10付近から一時132.60レベルまで高値を伸ばした。対ポンドでは軟調な推移だった。EU経済見通しでは、今年の成長見通し引き下げ、インフレ見通し引き上げとなったが、来年については成長見通しが引き上げられ、インフレ見通しはECB2%目標を下回る水準へと引き下げられた。
ポンドドルは1.35台後半での取引。ドル安と円安の両面でポンドは下支えされている。1.3530近辺から1.3580近辺まで買われた。ポンド円は156円台半ばから157.20台まで高値を伸ばした。ユーロポンドは0.84台前半で軟調に推移。前日の上昇を戻している。ポンド独自の材料はみられず、米消費者物価指数の発表を控えて、対ユーロでのポジション調整が入っていた。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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