円相場振幅、中国恒大に関する情報が錯綜、英MPCでポンド買い=ロンドン為替概況
円相場振幅、中国恒大に関する情報が錯綜、英MPCでポンド買い=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、神経質な展開。英中銀は政策金利と債券買い入れ枠の据え置きを決定した。政策金利については全会一致だったが、債券買い入れ枠は7対2の票割れ。ラムスデン委員とサンダース委員が8400億ポンドへの減額を主張した。これを受けてポンド買いの反応が広がっている。また、この日は中国恒大に関する報道で相場が振幅した。「中国当局が中国恒大にドル建て債券で目先のデフォルト回避を指示」との報道でリスク選好に。一方で、「中国当局が中国恒大の破綻に備えるよう地方政府に指示」との報道にリスク回避の反応がみられた。ドル円は110.00レベルまで買われたあと、一時109.70台まで反落と振幅。ユーロ円は129円台乗せまで買われたあと、128.50台まで反落。ポンドは堅調。リスク選好の流れで買われたあと、英中銀発表でさらに上伸。ポンドドルは1.3709レベル、ポンド円は150.63レベルに高値を伸ばした。対ユーロでもポンド買いが優勢。この日発表されたドイツやユーロ圏の9月PMI速報値が予想以上に低下したことがユーロ相場の上値を抑える面もあったようだ。また、トルコ中銀が予想外の利下げを発表し、リラは対ドルで最安値を更新している。ノルウェー中銀はG10としては初のパンデミック後の利上げを発表。次回12月の追加利上げも示唆しており、クローネが買われている。
ドル円は109円台後半での取引。中国恒大に関するリスクが軽減したとの見方で欧州株や米株先物が買われ、リスク選好の動きに110.00レベルまで買われた。しかし、「中国当局が中国恒大の破綻に備えるよう地方政府に指示」との報道に109.70台まで一時反落。その後は、ポンド円の買いとともに再び110円に接近している。
ユーロドルは1.17台前半での取引。リスク選好の動きでじり高となり1.1733レベルまで高値を伸ばした。しかし、ユーロ圏の9月PMI速報値が製造業、非製造業ともに予想以上の落ち込みを示し、上値が重くなっている。ユーロ円はリスク選好の動きに一時129.05レベルまで上伸した。しかし、その後は売りに押されて128.50台まで反落。128円台後半で売買が交錯している。対ポンドでのユーロ売りがみられている。
ポンドドルは1.37台前半での取引。リスク選好の動きとともに1.36台前半から1.3680台まで買われて英中銀発表を迎えた。英中銀は政策金利および債券買い入れ枠の据え置きを発表。政策金利は全会一致の決定だったが、債券買い入れ枠は7対2の票割れとなった。サンダース委員とラムスデン委員が8400億ポンドへの減額を主張した。これを受けてポンドは一段高となり、対ドルは1.37台乗せ、対円は150.80近辺に一段高となっている。ユーロポンドは0.8580近辺から0.8540台へと下落。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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