ドル安基調強まる
ドル安基調強まる
リスク選好の動きがドル売り誘い、その後株安がドル円での円買いに
【東京市場】ドル円もみ合いに、株高が支えも、上値も重い
ドル円は109円台前半もみ合いに。朝からのレンジは18銭にとどまっており、値動きは限定的。日経平均をはじめアジア株が軒並みの上昇がみられ、リスク選好の動きが広がる中、ドル円、クロス円での円売りが入ったが、上値も重く、一方向の動きにはならず。
昨日の海外市場で米債利回りが上昇。NY市場夕方から東京朝にかけて米10年債利回りが1.65%前後での推移となってドル買いを誘ったが、その後上昇が一服したこともあり、ドルの上値を買い上げるには勢い不足となった。
【ロンドン市場】リスク選好がドル売り誘う
ドル安が優勢な展開に。株高が進む中でリスク選好のドル売りが優勢となった。
株高に加えてNY原油が67ドル台を付けるなど商品高の動きも。
【NY市場】ドル円108円台に
ドル安の流れが継続しドル円は108円80銭台を付ける動きに、
ユーロドルが1.22台を付けるなどドルは全面す。
米FOMC議事録が19日(日本時間20日)に発表されるが、
その中で慎重姿勢が強調されるとの思惑もドルの重石。
【本日の見通し】頭の重い展開に
ドル円は108円台に値を落とす展開となった。株高の中でも頭の重い展開となっていたところに
米株の調整が入り、いったん下をトライする格好に。
米債利回りも冴えず、上昇一服となったことでドルの重石に。
もっとも108円台後半で積極的に売りに回る動きもなく
ドル円は108円台半ばから109円台半ばをコアにしたレンジ取引の中での推移。
次の方向性を探る展開が続いている。
根強い市場の早期テーパリング期待と、当局者からの否定という流れが継続しており
上下ともに動きにくい展開が続く。
【本日の戦略】戻り売り
目先の重さがあり、デイトレは売りから回りたいところ。109円20銭超えでストップ。
スウィングは難しいが108円台半ば近く諮ってみたい気も、ストップを確実に。
109円台での戻り売りで、109円台半ば超えでストップの方がとりやすそうだが、
レンジ取引中心の中で方向性を探る展開だけに
状況の変化に注意。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《5/18 火曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 109.22 1.2153 132.76
高値 109.28 1.2234 133.19
安値 108.84 1.2151 132.70
終値 108.90 1.2222 133.10
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《5/18 火曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 28406.84 +582.01
DOW 34060.66 -267.13
S&P 4127.83 -35.46
Nasdaq 13303.64 -75.41
FTSE 7034.24 +1.39
DAX 15386.58 -10.04
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《5/18 火曜日の商品市場》
NY原油先物6月限(WTI)(終値)
1バレル=65.49(-0.78 -1.18%)
NY金先物6月限(COMEX)(終値)
1オンス=1868.00(+0.40 +0.02%)
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《5/18 火曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
GDP1次速報値(2021年第1四半期)08:50
結果 -1.3%
予想 -1.1% 前回 2.8%(前期比)
結果 -5.1%
予想 -4.5% 前回 11.6%(11.7%から修正)(前期比年率)
結果 -0.2%
予想 -0.1% 前回 0.2%(0.3%から修正)(GDPデフレータ・前年比)
第3次産業活動指数(3月)13:30
結果 1.1%
予想 0.8% 前回 -0.3%(前月比)
【英国】
ILO失業率(3月)15:00
結果 4.8%
予想 4.9% 前回 4.9%(ILO失業率)
雇用統計(4月)15:00
結果 7.2%
予想 前回 7.3%(失業率)
結果 -1.51万件
予想 前回 1.01万件(失業保険申請件数)
【ユーロ圏】
ユーロ圏GDP・改定値(第1四半期)18:00
結果 -0.6%
予想 -0.6% 前回 -0.6%(前期比)
結果 -1.8%
予想 -1.8% 前回 -1.8%(前年比)
ユーロ圏貿易収支(3月)18:00
結果 158.0億ユーロ
予想 N/A 前回 177.0億ユーロ(季調前)
結果 130.0億ユーロ
予想 187.0億ユーロ 前回 231.0億ユーロ(184.0億ユーロから修正)(季調済)
【米国】
住宅着工件数(4月)21:30
結果 156.9万件
予想 170.4万件 前回 173.3万件(173.9万件から修正)(住宅着工件数)
結果 -9.5%
予想 -2.0% 前回 19.8%(19.4%から修正)(住宅着工件数(前月比))
結果 176.0万件
予想 177.0万件 前回 175.5万件(176.6万件から修正)(住宅建築許可件数)
結果 0.3%
予想 0.6% 前回 1.7%(2.7%から修正)(住宅建築許可件数(前月比))
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《5/18 火曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*カプラン・ダラス連銀総裁
需給バランスの不均衡とベース効果が今年のインフレ上昇に寄与する。
来年にはある程度の緩和が見られるというのが基本的なシナリオ。
QEでの大規模な債券購入は金融市場、住宅市場、経済における過剰流動性に影響。
QEの副作用などについて議論し、回復に向けて調整について話し合いを始めることは健全さに。
需要の問題に対処するための十分な準備整う、供給の問題については少し整っていない。
【英国】
*ベイリー英中銀総裁
量的緩和(QE)は市場が損なわれている場所で最も効果的に機能。
QEは一部の国でより効果を発揮。
インフレ上昇はエネルギー価格によるもので一時的。
マイナス金利の協議は近くにはない。
マイナス金利は可能な手段としては利用可能。
来月もインフレは上昇を見込む。
【豪州】
*豪中銀議事録(5月4日開催分)
ワクチン接種の進展と追加財政支援の提供を受け、世界的な見通しが改善。
今年、翌年の両方で堅調に回復と予想も、世界的な回復は不均一なまま。
世界的な財政政策の対応は、少なくとも第二次世界大戦以来最大であり、それは拡大を続けている。
パンデミック後しばらくの間、ほとんどの先進国で支援的である必要があった。
ここ数か月世界的に商品価格と生産者価格の回復が見られる。
豪経済は以前の予想よりも早く回復から拡大に移行
GDPは第3四半期にパンデミック前の水準に戻る
ベースラインシナリオの下でのGDPの予測は上方修正。
GDP成長率は2021年には4.75%、2022年には3.5%と予想
国内見通しの不確実性の重要な原因は家計消費
家計消費は、サービス制限のさらなる解除、雇用と労働所得の見通しの強化、
住宅価格の上昇による資産効果、および一般的な不確実性の低減によって支えられる。
住宅市場の状況は引き続き強い。住宅価格は4月にさらに上昇した。
住宅投資の見通しは引き続き堅調。
3月の雇用と総労働時間はパンデミック前よりも高く、不完全雇用はパンデミック前のレベルに戻り、
3月の失業率の5.6%への低下は、以前の予想よりもかなり早く発生。
国債利回り目標の延長と量的緩和の継続について、経済データと金融市場の状況により細心な注意払う
7月の会合で3年物利回り目標を現行の24年4月満期から24年11月満期に移すかどうかについて検討
完全雇用とインフレという銀行の目標に向けた進展を支援するのであれば、さらなる債券購入に積極的に取り組む
賃金の伸びを刺激し、インフレを2-3%の目標に戻そうとするため、失業率を4%に押し下げることを目指す
【ユーロ圏】
*ビルロワデガロー仏中銀総裁
2021年の仏経済成長は最低でも5.5%となろう。
ユーロ圏に持続的なインフレが再燃するリスクなし。
ECB金融政策が引き続き緩和的であることに疑いの余地ない。
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《本日予定されている主な経済指標》
【NZ】
生産者物価指数(第1四半期)7:45
予想 N/A 前回 0.4%(前期比)
【日本】
設備稼働率(3月)13:30
予想 N/A 前回 -2.8%(前月比)
鉱工業生産・確報値(3月)13:30
予想 N/A 前回 2.2%(前月比)
予想 N/A 前回 4.0%(前年比)
【英国】
消費者物価指数(4月)15:00
予想 0.6% 前回 0.3%(前月比)
予想 1.5% 前回 0.7%(前年比)
予想 1.3% 前回 1.1%(コア・前年比)
生産者物価指数(4月)15:00
予想 1.0% 前回 1.3%(仕入・前月比)
予想 8.5% 前回 5.9%(仕入・前年比)
予想 0.4% 前回 0.5%(出荷・前月比)
予想 3.4% 前回 1.9%(出荷・前年比)
小売物価指数(4月)15:00
予想 0.8% 前回 0.3%(前月比)
予想 2.4% 前回 1.5%(前年比)
予想 2.7% 前回 1.6%(除くモーゲージ利払い・前年比)
【南アフリカ】
消費者物価指数(4月)17:00
予想 0.5% 前回 0.7%(前月比)
予想 4.3% 前回 3.2%(前年比)
実質小売売上高(3月)20:00
予想 2.5% 前回 2.3%(前年比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏消費者物価指数・確報値(4月)18:00
予想 1.6% 前回 1.3%(前年比)
予想 0.8% 前回 0.8%(コア・前年比)
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(14日までの週)20:00
予想 N/A 前回 2.1%(前週比)
【カナダ】
消費者物価指数(4月) 21:30
予想 0.2% 前回 0.5%(前月比)
予想 3.2% 前回 2.2%(前年比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員