【今週の注目材料】BEACH銘柄の決算に要注目
本格化している米第1四半期企業決算、注目を集めていた米大手銀行の決算は、投資銀行業務をけん引役として各行とも大幅な増益を達成。ダウ平均採用銘柄でもあるJPモルガン・チェースとゴールドマン・サックスは四半期として過去最高益を記録しました。ただ、FRBによる積極的な緩和によって進められている融資などの商業銀行部門は低調で、一部では警戒感も出る結果となりました。
今週も注目企業の決算が多数予定されています。
ビッグテック関連ではFANG株の一角、ネットフリックスが20日に発表予定。ハイテクではIBMやインテルといったところも今週の発表です。半導体関連ではラム・リサーチも今週21日が発表予定。さらに、米国企業ではありませんが半導体製造装置として世界最大の企業であり、ユーロネクスト・アムステルダムだけでなく、米ナスダックにも上場しているオランダのASMLの決算も21日となっています。HDD製造のシーゲイト・テクノロジーは22日の決算発表です。
ハイテク以外で注目されているのは、新型コロナからの経済活動再開に関連した銘柄、いわゆる「BEACH」銘柄です。Booking(予約)、Entertainment(娯楽)、Airline(航空)、Cruises(クルーズ)、Hotel(ホテル)の頭文字をとったもので、新型コロナの影響を強く受けた銘柄として認識されています。
新型コロナの影響が後退したことを受けて、こうした銘柄の動向にかなりの注目が集まる中、19日にユナイテッド航空、21日に先月ラスベガスからの撤退を表明した世界最大のカジノ運営会社ラスベガス・サンズ、22日にサウスウェスト航空、アメリカン航空などの決算発表が予定されています。
経済活動再開途上であった第1四半期にこれらの銘柄がどこまで回復を見せているのか。ラスベガス・サンズが行動制限の緩和が進んだ3月に、自身の象徴であるラスベガスの「ベネチアン」や「パラッツォ」などの高級リゾートカジノの売却を決めるなど、今後への警戒感もみられる中で、決算動向に要注目です。
先週もダウが史上初めて終値ベースで3万4千ドル台に乗せるなど、米株高の流れが継続する中で、これらの決算が強気に出てくると、市場の期待感を押し上げ、さらなる上昇を見せる可能性も。為替市場でもリスク選好からの円売りに加え、米長期金利の上昇期待からのドル買いも誘いそうで、ドル円には追い風となります。
MINKABU PRESS 山岡和雅

執筆者 : MINKABU PRESS
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