欧州通貨買いの動き、ECB理事会での楽観姿勢など背景に

見通し 

欧州通貨買いの動き、ECB理事会での楽観姿勢など背景に

日銀、ECB、トルコ中銀、南ア中銀いずれも金融政策据え置き

【東京市場】午後に入ってドル売り

 ドル円は午後に入ってドル売り円買いの動きが強まり、103円30銭台での推移に。昨日正式に発足したバイデン新政権での景気刺激の動きでリスク選好のドル売りが強まるとの思惑が広がり、ドルは全面安基調に。東証がバブル以来の高値を更新するなど世界的に株高の動きが広がる中でリスク選好の動きが優勢となっている。
 昨日海外市場で1.2070台を付けるなど売りが見られたユーロドルが、1.2130台まで上昇(ユーロ買いドル売り)するなど、ドル売りが対主要通貨で進む展開に。昨日は対ユーロでの買いなども見られ一時1.3710台まで上昇し、その後1.3620台まで調整が入ったポンドドルは1.37台を回復する動きに。
 
 リスク選好の動きもあって昼前までは買いが目立ったクロス円は、午後はやや調整。ドル円でのドル売り円買いの動きに押される格好に。ユーロ円は125円60銭台から125円40銭割れを付けている。ポンド円も141円70銭台から141円40銭台に。

 日銀金融政策決定会合は事前見通し通り金融政策の現状維持を決定。資金繰り支援策を継続することも決めました。企業への貸し出し増加を支援する金融機関向けの資金供給策の期限を1年間延長し来年6月末までとした。展望レポートでは2020年の成長見通しを引き下げた。総じて想定内の内容で、発表後の反応は目立たず。

 豪雇用統計は予想通りの好結果。水準的には強めも、予想との乖離が小さく市場の反応は目立たず。

【ロンドン市場】ポンド堅調

 ドル円はもみ合い。ユーロ売りポンド買いが継続しユーロポンドは一時0.8830前後まで。
ポンドはマイナス金利期待がかなり後退。
今月マイナス金利について問題が多いと消極姿勢を示したベイリー総裁は
今週に入ってマイナス金利の導入について議論していないと発言している。
また、ホールデン英中銀チーフエコノミスト(金融政策会合委員)は第2四半期に英経済が力強く回復と
楽観視性を示している。
こうした状況がポンドの買いを誘う格好に。ポンドドルは1.37台半ば近くまで。
ドル円は103円台前半でのもみ合い、一時103円台半ば超えも続かず。

【NY市場】ECB理事会受けてユーロ買い

 ECB理事会では、PEPPの全額を使うとは限らない、
ラガルド総裁の見通しリスクは下に傾斜も顕著ではない、経済活動は12月の基本シナリオに沿っていると発言
一部で新型コロナウイルスの感染拡大を受けて姿勢をより慎重なものにするのではとの見方に対して
比較的楽観的に見える発言が広がったことでユーロの買いに。
ユーロドルはロンドン午前の1.2110台からラガルド総裁会見後に1.2170台まで。その後振幅もNY夕方に1.2170前後を付けるなどしっかり。
ドル円は一時103円60銭台まで上昇するなど堅調。

【本日の見通し】欧州通貨買いの動きが流れを変えるか

 欧州通貨買いの動きが広がっている。
ポンドはマイナス金利への警戒感が後退。今後の経済見通しへの楽観論などもポンドの支えに。
大きな懸念材料である新型コロナウイルスの感染拡大も、
今月8日につけた一日当たり6万人台から直近3万人台まで落ち着いてきており期待感に。
ユーロは昨日のECB理事会での楽観論が大きい。
1.20を目指す動きから一転して1.22台への動きを期待する展開となっている。

 欧州通貨買いドル売り円売りの流れでドル円は比較的円売りが強くしっかりも大きな動きにはなりにくそう。
103円台半ばを挟んでの振幅を意識。

【本日の戦略】押し目買い

 ドル円は方向性をつかみにくい展開。
103円台でのレンジ取引を意識し、
基本は103円台前半での押し目買いか。
もっとも週末でもあり無理は禁物

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

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《1/21 木曜日》
    ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  103.54  1.2106  125.35
高値  103.67  1.2173  125.97
安値  103.33  1.2104  125.32
終値  103.50  1.2164  125.93
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《1/21 木曜日の主要株式指数》
日経  28756.86 +233.60
DOW   31176.01 -12.37
S&P    3853.07 +1.22
Nasdaq  13530.92 +73.67
FTSE   6715.42 -24.97
DAX   13906.67 -14.70
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《1/21 木曜日の商品市場》
NY原油先物3月限(WTI)(終値)
1バレル=53.13(-0.18 -0.34%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1869.30(-0.90 -0.05%)
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《1/21 木曜日に発表された主な経済指標》

【日本】
通関ベース貿易収支(12月)08:50
結果 7510.0億円
予想 9305.0億円 前回 3661.0億円(3668.0億円から修正)(通関ベース貿易収支)
結果 4771.0億円
予想 7192.0億円 前回 5702.0億円(通関ベース貿易収支(季調済))

日銀政策金利(1月)11:38
結果 -0.1%
予想 -0.1% 前回 -0.1%(日銀政策金利)

【豪州】
雇用統計(12月)09:30
結果 5.0万人
予想 5.0万人 前回 9.0万人(雇用者数)
結果 6.6%
予想 6.7% 前回 6.8%(失業率)

【香港】
消費者物価指数(12月)17:30
結果 -0.7%
予想 -0.3% 前回 -0.2%(前年比)

【南アフリカ】
小売売上高(11月)18:00
結果 -4.0%
予想 -2.6% 前回 -1.8%(前年比)

中銀政策金利(1月)22:11
結果 3.5%
予想 3.5% 前回 3.5%(南ア中銀政策金利)

【トルコ】
中銀政策金利(1月)20:00
結果 17.0%
予想 17.0% 前回 17.0%(トルコ中銀政策金利)

【ユーロ圏】
ECB政策金利(1月)21:45
結果 0.0%
予想 0.0% 前回 0.0%(ECB政策金利)
結果 -0.5%
予想 -0.5% 前回 -0.5%(ECB預金ファシリティ・レート)
結果 0.25%
予想 0.25% 前回 0.25%(ECB限界貸出ファシリティ)

消費者信頼感指数(速報値)(1月)00:00
結果 -15.5
予想 -15.0 前回 -13.8(-13.9から修正)

【米国】
フィラデルフィア連銀景況指数(1月)22:30
結果 26.5
予想 11.8 前回 9.1(11.1から修正)

住宅着工件数(12月)22:30
結果 166.9万件
予想 156.0万件 前回 154.7万件(住宅着工件数)
結果 5.8%
予想 0.8% 前回 1.2%(住宅着工件数(前月比))
結果 170.9万件
予想 160.8万件 前回 163.5万件(163.9万件から修正)(住宅建築許可件数)
結果 4.5%
予想 -1.7% 前回 5.9%(6.2%から修正)(住宅建築許可件数(前月比))

新規失業保険申請件数(01/10 – 01/16)22:30
結果 90.0万件
予想 93.5万件 前回 92.6万件(96.5万件から修正)(前週比)
結果 505.4万件
予想 530.0万件 前回 518.1万件(527.1万件から修正)(継続受給者数)

【NZ】
消費者物価指数(2020年第4四半期)06:45
結果 0.5%
予想 0.2% 前回 0.7%(前期比)
結果 1.4%
予想 1.1% 前回 1.4%(前年比)
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《1/21 木曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》

【日本】
*日銀金融政策決定会合、
政策金利を-0.1%に据え置き
10年物国債金利の目標を0%程度に据え置き
20年度実質GDP見通しは-5.6%(前回-5.5%)
景気の現状判断を下方修正

*日銀経済物価情勢の展望(展望レポート)
日本経済の先行きは、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に和らいでいくもとで
改善基調をたどるとみられるが、ペースは緩やかなものにとどまる。
感染症の影響が収束すれば海外経済が着実な成長経路へ復していくもとで、
さらに改善を続けると予想される。
先行きの物価は、感染症、原油価格下落、GoToトラベルの影響などでマイナスで推移。
その後下押し圧力減退。徐々に上昇率高める。
前回の見通しと比べると、成長率については政府の経済対策の効果などを背景に
2021年度を中心に幾分上振れ、物価については概ね不変。
先行きの見通しについては、不透明感がきわめて強い。
リスクバランスは、経済・物価のいずれの見通しについても、
感染症の影響を中心に下振れリスクの方が大きい。

*黒田日銀総裁
景気は厳しい状態にあるが、基調としては持ち直している。
海外経済、一部で感染症再拡大の影響あるが持ち直している。
設備投資、業種間のばらつき伴いながら下げ止まっている。
個人消費、基調は徐々に持ち直しも足元サービスに下押し圧力。
日本経済、改善基調をたどるとみられるがペースは緩やかに。
当面、対面型サービス消費中心に下押し圧力の強い状態続く。
消費者物価の前年比、当面マイナスで推移するとみられる。
成長率見通し、経済対策効果などで21年度中心に幾分上振れ。
見通しは感染症の帰趨や経済への影響の大きさで変わり得る。
経済・物価、感染症の影響中心に下振れリスクの方が大きい。
引き続き企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努める。
コロナの影響注視、必要あれば躊躇なく追加緩和措置講じる。
政策金利は現在の長短金利水準または下回る水準で推移想定。
緊急事態宣言、経済に下押し圧力強まっている。
政府と日銀の資金繰り支援は効果を発揮。
現在の金融緩和措置をしっかり実施していくことが重要。
政策点検、今回の会合では作業の方向性と認識を共有。
政策点検、副作用についても改めて点検する。
政策点検、今の段階で具体的な変更は念頭に置いていない。
政策点検、より効果的な対応を機動的に行うかが問題意識。
4年間の金融政策の効果と副作用のバランス点検。
効果的で持続的な金融政策の運営方法あれば採用する。
YCC自体が副作用とのバランスを考慮した仕組み。
イールドカーブを低位で安定させることは重要。
YCCは現在まで適切に機能、枠組み変更の必要なし。
緊急事態宣言、経済安定と感染抑制のバランスとっている。
緊急事態宣言、長く続くと経済に対する影響大きくなる。
内外の感染の状況は引き続きよく見ていきたい。
株式市場のボラティリティは高い、内外市場動向を注視。
株価上昇、企業収益の見通しを反映したもの。
輸出、生産は予想より強く回復、ほぼ感染症前に戻る。
LIBOR公表停止、日本はしっかり対応している。
貯蓄率かなり上昇、給付金は貯蓄に回ったとの議論も。
バイデン政権の政策運営を注視。

【米国】
*バイデン米大統領
WHOの脱退手続きの取り下げを命じる。
WHOに直ちに復帰する計画をしている。
21日に開催されるWHO会合にファウチ感染研所長を派遣する。

【中国】
*中国外務省
バイデン米大統領就任を祝福する。
利益を損ねる行動に対しては措置を講じる。

【ユーロ圏】
*ECB
主要政策金利を0.0%据え置き。
預金ファシリティー金利-0.50%据え置き。
限界貸出ファシリティー金利+0.25%据え置き。
PEPPの規模を1.85兆ユーロに維持。
TLTROを通じ潤沢な流動性の供給を継続へ。
QEは利上げが始まる直前まで継続する。
PEPPの全額を使うとは限らない。

*ラガルドECB総裁
ワクチン接種が始まったことは重要な一里塚。
新型コロナ感染拡大は経済にとって深刻なリスク。
ユーロ圏経済は昨年10-12月に縮小。
ECB、必要に応じ全ての政策措置を調整する用意。
為替レートの動向を注視する。
製造業の活動はなんとか維持されるも、サービス業は大幅に落ち込んでいる。
経済活動は12月に提示した基本シナリオ予測にほぼ沿っている。
基調としての物価圧力は依然として抑制されると予測。
インフレ期待は引き続き低調。
見通しへの下振れリスクは、以前よりは顕著でなくなった。
今後数カ月でインフレは上昇へ。
野心的かつ協調的な財政政策の姿勢が依然として重要。
財政措置は的を絞り、一時的であるべき。
金融刺激策の要諦は貸出し環境をサポートすること。
EUの支援パッケージは遅滞なく実施可能となるべき。
ワクチン、ブレグジット合意などはユーロ圏にとって前向きなニュース。
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
全国消費者物価指数(12月)8:30
予想 -1.3% 前回 -0.9%(前年比)
予想 -1.1% 前回 -0.9%(生鮮食料品除くコア・前年比)

【英国】
GfK消費者信頼感調査(1月)9:01
予想 -30.0 前回 -26.0

公共部門ネット負債(12月)16:00
予想 314.0億ポンド 前回 308.0億ポンド

小売売上高(12月)16:00
予想 1.3% 前回 -3.8%(前月比)
予想 4.0% 前回 2.4%(前年比)

CIPS製造業PMI・速報値(1月)18:30
予想 53.6 前回 57.5

CIPS非製造業PMI・速報値(1月)18:30
予想 45.0 前回 49.4

【豪州】
小売売上高・速報値(12月)9:30
予想 -1.5% 前回 7.1%(前月比)

【ユーロ圏】
ドイツ製造業PMI・速報値(1月)17:30
予想 57.2 前回 58.3

ドイツ非製造業PMI・速報値(1月)17:30
予想 45.0 前回 47.0

ユーロ圏製造業PMI・速報値(1月)18:00
予想 54.4 前回 55.2

ユーロ圏非製造業PMI・速報値(1月)18:00
予想 44.5 前回 46.4

【カナダ】
小売売上高(11月)22:30
予想 0.0% 前回 0.4% (前月比)
予想 0.3% 前回 0.0%(自動車除く・前月比)

【米国】
中古住宅販売件数(12月)23日0:00
予想 655.0万件 前回 669.0万件

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執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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