【米雇用統計】直前まとめ~米指標は総じて好調も、雇用部門に限ると弱め、そうした状況がどう出るか

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本日21時半に市場が注目する7月の米雇用統計が発表されます。今週はISM製造業景気指数・非製造業景気指数が全体ではかなり力強い結果となりましたが、雇用部門は冴えず。またADP雇用者数が予想を下回ったこともあり、やや警戒感が出ているようです。
関連指標動向と合わせ、今回の雇用統計に見通しをみていきます。

米国は南側のサンベルト地域を中心に新型コロナウイルスの感染拡大が続き、ロックダウン再開などの動きが懸念されています。しかし、米経済に対する悪影響は4月をピークとして、その後は再開が進んでいると見られ、多くの米経済指標が軒並みの好結果となっています。
特に今週はISM製造業景気指数と同非製造業景気指数がともに予想を大きく上回る好結果となりました。

3日に発表された7月のISM製造業景気指数。前回6月分が52.6と、好悪判断の境となる50を超える好結果となった後を受けての今回の同指数は、事前予想が53.6と前回を上回る数字が期待されていました。結果は前回・事前予想ともに上回る54.2の好結果に。これは2019年3月以来の高水準となります。
内訳をみると、内訳の中でも重要視され、かつ前回大きく上昇したことで、米景気への期待につながった新規受注が61.5と前回の56.4からさらに大きく上昇。同じく生産が62.1と57.3から大きく上昇しています。これらの数字は4月には27台まで落ち込んでいたことを考えると、かなり力強い回復といえます。
ちょっと変わったところでは入荷遅延が4カ月連続の低下を示し、55.8となりました。同指標は景気が良くなると、生産が追い付かないなどの理由で遅延が起きることより、遅延が増加すると景況感にプラスととらえられていました。しかし同指標は4月に76.0まで上昇。新型コロナウイルスの感染拡大により米国の流通市場が滞る形での遅延拡大とみられ、今回も含めその後の低下が米経済の正常化が進んでいる証左としてみなされています。

5日に発表された7月のISM非製造業景気指数は、6月時点で57.1まで大きく上昇していました。統計開始以来最大幅となる11.7ポイントの大幅上昇だっただけに、今回はさすがに少し反動があるのではとみられて、事前予想は55.0となっていましたが、結果は予想に反して前回よりもさらに高い水準となる58.1となりました。
前回全体を押し上げたビジネス活動が67.2と好調を維持。製造業同様に新規受注も大きく伸びて、全体を押し上げています。4月に78.3まで上昇していた入荷遅延が55.2まで低下しているという状況も同じです。

ただ、どちらも雇用部門に関してはやや冴えない結果となりました。
先程のISM製造業・非製造業景況感指数の雇用部門をみると、製造業は前月を上回ったとはいえ、好悪判断の境である50にはまだ全く届かず44.3に。非製造業に至っては50を下回ったうえに、前月の数字すら下回る42.1となっています。
新型コロナウイルス関連での雇用は飲食店・小売店などを中心に非製造業によりセンシティブな反応を示すことを考えると、今回のISM非製造業での雇用部門の低下はかなり気になるところです。

また、5日に発表された7月のADP雇用者数は120万人増の予想に対して16.7万人増と、増加幅がかなり小さい水準にとどまりました。前回値が大きく上方修正された影響があることに加え、雇用統計の民間部門の数字との相関関係が高いとされる同指標なれども、ここ2カ月続けて速報ベースの数字と雇用統計の数字が大きく乖離していることを考えると、どこまで重要視するのかは微妙ですが、やや気になるところです。

また、週間ベースの新規失業保険申請件数も、明日の米雇用統計と同じ計測期間となる7/12-7/18日の週の数字が142.2万件(速報時141.6万件)と、その前の週の130.7万件から一気に増加。その翌週も143.4万件とかための水準を維持するなど、ここにきて状況が悪化している点にも要注意です。

こうした状況を受けて今回の予想ですが
非農業部門雇用者数は150万人増と、前回の480万人増から伸びが鈍化する見込みです。失業率は前回の11.1%から10.5%に低下見込みです。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、飲食店や小売店などを中心に倒産した会社も目立ち、雇用が戻り切っていないこと。ロサンゼルスやフェニックスなど人口の多い都市を抱えるサンベルト地区での新型コロナウイルスの感染拡大第2波の勢いが強く、大規模店舗の再開などへの警戒感が見られることなどが背景にあります。
 今回のロックダウンで雇用的には最も影響を受けたのが、新型コロナウイルスの感染拡大前の1230万人から623万人までと、雇用者数が約半減したレストラン・バーなどの飲食店部門。ロックダウン緩和でこの2カ月で917万人と以前の雇用者数の約4分の3程度までは雇用が回復してきており、直近の雇用者数回復を支える分野となっています。しかし、カリフォルニア州で13日、州内全域でレストランの屋内営業を再び禁止。サンベルト以外でも、NY市では屋内営業の再開を延期するなど厳しい状況が見られ、思ったほどの回復が進まないという懸念があります。
 
予想程度の雇用の伸びの鈍化は十分にありそう。予想以上の鈍化も可能性としては十分にあります。もっとも、今回は季節調整のゆがみで教育部門の雇用がかなりの単位で雇用増となる可能性があります(本来7月は学年終わりの休みに入り教育関係者の離職が多い月となりますが、今回はそもそも臨時雇用の教育関係者自体の数が少ないです。季節調整は例年通りかかるとすると、過分な調整につながり雇用者が増える可能性があります)。そのため、ある程度の雇用の伸び自体は期待できると思われます。

MINKABU PRESS 山岡和雅

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執筆者 : MINKABU PRESS

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