ドル安が強まる 米指標で回復期待が後退 トランプ大統領のツイートもドル売り誘う=NY為替概況

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 きょうのNY為替市場、この日発表の第2四半期の米GDP速報値や米新規失業保険申請件数が米経済の早期回復期待を後退させる内容だったことで、ロンドン時間には売りを一服させていたドルが再び売りを活発化させた。

 ドル円は105.20円近辺まで買い戻されていたが、104円台に再び下落。ここ数日、104.80円付近が強い下値抵抗となっているが、その水準を割り込む動きが見られている。

 GDPは前期比年率換算で32.9%と予想ほどではなかったものの、過去最大のマイナス成長となった。個人消費や設備投資、住宅投資、輸出が軒並み大きく落ち込んだ。企業の設備投資は3四半期連続で減少。一方、米新規失業保険申請件数は予想ほどではなかったものの、2週連続で増加しており、感染第2波が企業の採用に影響している可能性が示された。

 トランプ大統領のツイートがドル売りを強めたとの指摘も聞かれる。大統領は「安全な投票が可能になるまで大統領選挙を延期してはどうか」とツイートしていた。大統領選の日付変更は憲法で大統領には権限が与えられていない。両党から反対が出ているにもかかわらず、再三延期を要請していることに、トランプ陣営が再選に向け苦戦しているのではとの疑念に繋がっているのかもしれない。為替市場でドル安が強まる中で市場からは、「経済のみならず、政治の話題でも、あらゆる不安要素が投資家にドル売りのボタンを押させてしまう」との声も聞かれた。

 ユーロドルはこの日のユーロ圏の経済指標が予想を下回ったことでロンドン時間には1.17台前半まで値を落としていたが、再び1.18ドル台に上昇した。1.1845ドル付近まで上げ幅を伸ばしている。

 米国で感染第2波の拡大が深刻化している中、ユーロ圏ではまだ、第2波の影響が顕著には出ていない。復興基金の成立もあり、米国よりもユーロ圏経済のほうが早期回復を達成するのではとの期待がユーロドルを下支えしているとの指摘も聞かれる。しかし、一部からは、スペインやフランス、ベルギーで新規感染の増加傾向が確認されている。まだ数は少ないものの、今後、感染第2波のリスクが顕著になるようであれば、ユーロドルの過熱感が高まっていることもあり、急速に戻り売りに押されるリスクも指摘されている。

 ポンドドルは買いが続き、1.30ドル台後半まで上げ幅を拡大。投資家がドル安にポジションを傾ける中で、これまでドル安の受け皿となっていたユーロは過熱感が高まっており、更なる上値は手掛けにくい状況もある。そのような中でポンドに見直し買いが活発に出ているのかもしれない。

 しかし、市場からはポンドに対するネガティブな見方は根強く、EUとの貿易交渉のほか、英経済の先行きに対する不透明感も指摘している。ジョンソン政権が実施している雇用維持制度が8月から縮小になれば、失業の第2波が来るリスクも懸念され、ポンドを圧迫するリスクがあるという。その場合、ポンドドルは9月までに1.23ドルまで下落する可能性も指摘されていた。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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執筆者 : MINKABU PRESS

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