米株が底堅い中でドル売り続く ドル円は107円台前半に値を落とす=NY為替概況
きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となった。序盤は107円台半ばで振幅していたドル円も107円台前半に値を落としている。米株が底堅く推移し、リスク選好のドル売りが続いている。きょうのペンス副大統領の会見で安心感が広がっているとの指摘も聞かれる。副大統領は「全米の死亡率は低下している。アリゾナ州、フロリダ州、テキサス州での陽性検査の結果は横ばいを示す初期兆候が見られている」と指摘した。
ただ、ドル円は107円台での膠着相場に変化はない。ユナイテッド航空が3万6000人の従業員に対して、米政府の給与支援プログラムが終了する9月末以降に、解雇のリスクがあると警告したとの報道が伝わり、ドルが買い戻される場面があったものの、一時的な反応に留まった。
足元の経済指標が好調で景気回復への期待は根強い。一方で感染第2波への警戒感も根強く、米国内の感染者数は300万人を超え、人口の約100人に1人が感染したことになる。経済封鎖や規制を一部再開する州も増える中で、感染第2波の経済への影響を見極めたいといった雰囲気も強まっているようだ。
ドル円は相変わらずの膠着相場だが、感染第2波の拡大で期待ほどの回復が見られるか、行方を見極めたい部分もあるのかもしれない。
ユーロドルは買いが優勢となり、1.13ドル台半ばまで一時上昇。本日の21日線は1.1265ドル付近に来ているが、その水準がサポートされ、上昇トレンドを維持している。ただ、1.13ドル台半ばから1.14ドルの上値抵抗は強いようだ。
明日、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)が開催され、先月退任を表明したセンテーノ議長の後任を選出するが、結果次第ではユーロ相場に影響を与える可能性があるとの指摘も出ている。後任の議長次第では、南北EUの共存という現在の認識が維持されるか、それとも再び古傷に触れるか、いずれかの方向性が示されるという。古傷に触れるような人選であれば、ユーロにとってはネガティブ材料になる可能性もあるとしている。
ポンドドルは1.26ドル台を回復。きょうは一時1.25ドル台前半まで下落していたが、NY時間に入って買い戻されている。きょうの上げで21日線を上回って来ており、1.27ドル付近に来ている200日線を目指すか注目される。
きょうはスナック財務相が追加刺激策を発表。最大300億ポンド規模で、発表直後はポンド買いの反応も見られていた。しかし、その反応は一時的に留まっている。一部からは今回の景気刺激策はポンド押し上げには不十分で、ゲームチェンジャーにはならないとの声も聞かれる。規模は予想よりもやや大きいものの、これらの対策が成長見通しを大幅に変更させることはないとしている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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