ISM受け雰囲気が改善 ドル売り・円売りでドル円は107円台半ばで上下動=NY為替概況
きょうのNY為替市場はドル売り・円売りが見られ、ドル円は107円台半ばでの上下動が続いた。この日発表になった6月のISM製造業景気指数が52.6と予想外に強い内容となったことから雰囲気が改善している。2019年2月以来の水準に上昇しており、世界経済減速への懸念が高まっていた新型ウイルス感染前以上に改善。ISM指数は企業へのアンケート調査だが、経済再開に伴う生産再開で急激に落ち込んだ分、製造業のセンチメントは急速な改善を示したようだ。
また、ADP雇用統計も発表され、予想ほどではなかったが、改善傾向が続いている。特に前回分は大幅な減少だったが、大幅増に修正された。前回の米雇用統計を受けての修正。
この日も感染の最新情報が流れていたが、アリゾナ州やカリフォルニア州の1日の新規感染者は過去最多を記録しており、感染第2波への懸念は根強い。ただ、きょうは新型ウイルス向けのワクチン開発のニュースも流れ懸念も一服していたようだ。
午後になってFOMC議事録が公表され、注目のイールドカーブコントロール(YCC)については、さらに分析必要との見解で一致していたことが明らかとなった。ガイダンス強化については、大半の当局者が明瞭化を主張していた。ただ、市場の反応は限定的。YCCに関してFRBは現段階では消極的と見られており、その見方を踏襲する内容となっている。
ユーロドルは買い戻しが優勢となり、1.1275ドル付近まで上昇する場面もみられた。本日の21日線が1.1270ドル付近に来ており顔合わせしている。明日以降、その水準を上抜いて行けるか注目される。米国と比較して欧州はまだ、感染第2波が拡大の傾向を示していないこともユーロをサポートしているのかもしれない。
ポンドドルもNY時間に入って一本調子の上げを続け、1.24ドル台後半まで上げ幅を広げた。きょうの上げで100日線付近まで戻しているが、21日線が1.25ドル台前半に来ており、目先の上値メドとして意識される。
市場では英中銀がマイナス金利を採用するのではとの見方も出ているものの、副作用や効果を考慮すれば、違う選択肢の方が有効との意見も聞かれる。中小企業の資金調達を支援するような政策のほうが好ましく、その意味では年内に追加で500億ポンドの量的緩和(QE)も期待されるという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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