【これからの見通し】日替わりで何ともやりにくい相場、香港や英国イベント無難にこなすか
【これからの見通し】日替わりで何ともやりにくい相場、香港や英国イベント無難にこなすか
きょうは株式市場が堅調に推移している。前日のダウ平均の大幅反発でムードが好転したことが背景。中国全人代で国家安全法が急ぎ成立した。香港株、上海株ともに堅調な推移を続けており、市場の警戒反応はみられていない。中国製造業PMIも無難な結果だった。あすの香港のデモ禁止措置がどうなるのか、ウォッチしたいところだが、現時点では一安心だ。
東京市場では、ドル円が107円台後半と前日からの高値圏を維持しているほか、クロス円も円安方向に動いている。特に、豪ドル円が一時74円台乗せと堅調な動きをみせた。原油高が加わっていることも好材料となっていたようだ。
ただ、連日の株式市場の上下動で全般的な方向性は見失われてきている。まさしく日替わり相場だ。新型コロナ関連では世界的な感染拡大傾向が続いている。今後も悪材料として取り上げられるリスクは続いているといえよう。足元で豪ドル円は74円を下回ってきている。豪ビクトリア州が4週間のロックダウン措置を導入と報じられている。新型コロナ関連には引き続き注意が必要だ。
この後のロンドン時間にはジョンソン英首相が演説を行い、50億ポンドのインフラ投資加速を発表する予定。前日から予告されていたことであり、ポンド相場へのインパクトがどれほど残っているのかは不透明だ。発表後にネガティブな反応がみられなければ、中国の国家安全法ともども市場は好ムードを維持となりそうだがどうか。ポンドにとってはEUとの通商交渉の難航が上値を抑えやすい状況にあるが。
この後の海外市場で発表される経済指標は、月末とあってやや多い。香港小売売上高(5月)、ユーロ圏消費者物価指数・速報値(6月)、南アフリカGDP(第1四半期)、南アフリカ貿易収支(5月)、ブラジル失業率(5月)、カナダGDP(4月)、米S&Pケースシラー住宅価格(4月)、米シカゴ購買部協会景気指数(6月)、米コンファレンスボード消費者信頼感指数(6月)など。ユーロ圏消費者物価は前回からは上向くものの、前年比+0.2%の予想となっており、引き続き物価の伸びは低調となる見込み。一方、6月の米シカゴPMIや消費者信頼感はいずれも回復の動きが予想されており、ユーロドル相場を圧迫する可能性がある。
きょうは金融当局者の講演・イベント予定が多い。英中銀ではホールデン英中銀委員、カンリフ英中銀副総裁など。ECBではシュナーベルECB理事、デギンドスECB副総裁など。米金融当局ではウィリアムズNY連銀総裁、ブレイナードFRB理事、パウエルFRB議長とムニューシン米財務長官、ボスティック・アトランタ連銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁などの発言機会が予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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