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ドル全面高、新興国通貨売りドル買いの流れが主導

見通し 

ドル全面高、新興国通貨売りドル買いの流れが主導

ユーロや豪ドルなどに対するドル買いも優勢。
豪ドルはリーマンショック時の安値を大きく割り込み下げが加速

【東京市場】株安受けて調整広がる

 ドル円は昨日のNY市場で107円台後半まで上昇した流れを受けて、朝方はドル高円安圏での推移となった。しかし、昨日上昇した米債利回りの低下が見られ、ドル円は調子が優勢に。さらに、昨日の米株高などに支えられてしっかりで始まった東京株が、午後にはマイナスに転じる動きに。米株先物の売りが目立ち、ダウ先物、ナスダック先物、S&P先物の時間外取引がいずれもストップ安を付ける中で、アジア株が総じて売りに回る格好となった。こうした株安の動きが重石となり、ドル円は107円00銭台まで値を落とす展開となっている。昨日買いが入った豪株の下げが特にきつく豪ASXは6.43%安で引けている。

 ユーロドルは振幅。ユーロポンドの下げなどもあって午前中は売りが優勢で、1.0985近辺を付ける動き。欧州での新型コロナウイルスの感染拡大や、食品などを除いた店舗閉鎖の動きが広がる中での実体経済への悪影響などがユーロ売りを誘った。もっともその後午後にかけてはユーロ買いドル売りに。ドル全面安の動きが強まり、朝の水準を超えて1.1045近辺まで。

【ロンドン市場】ドル買い強まる

 ドル円は朝方の106円台後半から107円台半ば超えへ
米債利回りが1.2%超えまで0.2%以上の急騰を見せたことがドル買いにつながった。
株安の中債券利回りが上昇という流れで、
株と債券がともに売られる流れ。
イタリア債の利回り上昇が特に目立ち、10年債が一時3%近くまで急騰。
本来安全資産である国債の売りが入りキャッシュを確保するという流れに。
ユーロは1.09台半ばまで値を落とす展開に。

【NY市場】ドル買い新興国通貨売り

 ドル買い新興国通貨売りの動きが急速に広がっている。
NY原油が一時20.06ドルまで低下、終値も20ドル台と大幅な下げを記録する中で
資源国・新興国通貨の売りが一気に広がった。
ドル需要のひっ迫感が広がっていることもあり、
ドル自体は堅調で、ドル円は108円台半ば超えまで上値を試す展開に。
ドル全面高の中でユーロは1.08ちょうど近くまで一時値を落とす展開。
ロンドン市場で1.09台半ばを付けた後1.10台を回復していたが
そこから大きく値を落とす格好となった。
ユーロ円が116円台を付けるなどクロス円も一時下落したが、
NY夕方に円安が優勢となりユーロ円などは値を戻している。

【本日の見通し】リスク警戒広がる

 新型コロナウイルスの感染拡大懸念でのドル買いの動きが強まっている。
ドル円に関してはリスク警戒の円買いで少し相殺される分、動きは落ち着いているものの
その他通貨に対するドル買いがかなりきつく、
豪ドルドルはリーマンショック時の下げでも下値を支えた0.6000台をあっさり割り込むと
売りが加速して0.5700近くまで一時値を落とす展開。
新興国・資源国通貨の売りが厳しくドルメキシコペソが一時24.00を超えるなどの動きも。
世界的にドルへの需要が高まる格好。
本来安全資産の代表格である米長期債ですら売りが出る場面が見られるなど
ドルキャッシュへの需要が一気に強まる中で
ドル円も下がったところでは買いが出る流れか。
110円に向けた動きが強まる可能性が十分にありそう。

【本日の戦略】無理をせず

 流れはドル買い
ただ、リスク回避の円買いが消えたわけではなく
無理をする局面ではない。
債券市場がリスク警戒感が強まる局面で債券売り(利回り上昇)につながる場合が見られるなど
やや不安定な展開となっており、先行き不透明感が強い。
ドル円は109円に向けた動きが基本となるが
円買いが強まる場面もありそうで、無理をせずの流れ。
押し目買いが基本もストップをやや早めにしっかりとという印象。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

-+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《3/17 火曜日》
    ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  105.82  1.1183  118.47
高値  107.86  1.1189  119.69
安値  105.81  1.0955  117.30
終値  107.70  1.0997  118.44
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《3/17 火曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  17011.53 +9.49
DOW   21237.38 +1048.86
S&P    2529.19 +143.06
Nasdaq  7334.78 +430.19
FTSE   5294.90 +143.82
DAX   8939.10 +196.85
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《3/17 火曜日の商品市場》
NY原油先物4月限(WTI)(終値)
1バレル=26.95(-1.75 -6.10%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1525.80(+39.30 +2.64%)
-+—+—+—+—+—+—+—+—+-
《3/17 火曜日に発表された主な経済指標》

【日本】
鉱工業生産(確報値)(1月)13:30
結果 1.0%
予想  前回 0.8%(前月比)
結果 -2.3%
予想  前回 -2.5%(前年比)

【香港】
失業率(2月)17:30
結果 3.7%
予想 3.6% 前回 3.4%

【英国】
失業率(2月)18:30
結果 3.5%
予想 N/A 前回 3.4%

ILO失業率(1月)18:30
結果 3.9%
予想 3.8% 前回 3.8%(3カ月)

【ユーロ圏】
ドイツZEW景況感指数(3月)19:00
結果 -49.5
予想 -30.0 前回 8.7

【トルコ】
中銀政策金利(3月)20:00
結果 9.75%
予想 N/A 前回 10.75%(トルコ中銀政策金利)

【米国】
小売売上高(2月)21:30
結果 -0.5%
予想 0.2% 前回 0.6%(0.3%から修正)(前月比)
結果 -0.4%
予想 0.1% 前回 0.6%(0.3%から修正)(コア・前月比)

鉱工業生産指数(2月)22:15
結果 0.6%
予想 0.4% 前回 -0.5%(-0.3%から修正)(鉱工業生産指数)
結果 77.0%
予想 77.1% 前回 76.6%(76.8%から修正)(設備稼働率)

企業在庫(1月)23:00
結果 -0.1%
予想 -0.1% 前回 0.0%(0.1%から修正)(前月比)

【NZ】
経常収支(第4四半期)18日6:45
予想 -28.33億NZドル 前回 -63.51億NZドル

+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《3/17 火曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》

【日本】
*麻生財務相
早ければ今夜にもG7財務相会談を実施する
情報交換を緊密にやっておいた方がいい
為替について特に申し上げることはない
ダウ平均が3000ドル近く上下していることは安定しているとは言い難い
市場の動きをしっかり見ておく必要がある
緊張感を持って適切に対応する

*麻生財務相
ムニューシン米財務長官と電話会談実施。
緊急対応策の意見交換。
市場に与える影響を注意深く注視。
適切な手段を用いる用意があることを再確認。
G7財務相会合の早期開催必要と発言。
日米で連携できている意味は大きい。
次の経済対策を考えなければならないと米側に発言。

【米国】
*格付け会社S&P
ボーイングの長期格付けを従来の「A-」から「BBB」に2段階引き下げ。
今後2年間のキャッシュフローが予想よりもはるかに弱くなると判断。
見通しは格下げ方向で検討する「クレジット・ウォッチ・ネガティブ」に据え置き

*トランプ大統領
大型で大胆な包括的措置を財務長官が上院と検討中。
旅行業界や産業のサプライヤーと面談へ。
国民1人当たり1000ドル以上の直接支援を検討

*トランプ大統領
・パンデミックは宣言のずっと前から感じ取っていた。
・中国はウイルスの感染源に関する誤った情報を出した。
・彼らの間違いゆえに「中国ウイルス」と呼ぶ。
・ボーイングとGEの支援を真剣に検討。
・給与税減税を検討しているが、時間がかかる。

*ムニューシン米財務長官とホワイトハウスは最大1.2兆ドルの
刺激策を協議

*ムニューシン米財務長官
国民への支援金の2週間内の支給が可能。
納税申告、最長90日の延長が可能に。
トランプ大統領が最大3000億ドルの納税猶予を承認。

*ムニューシン米財務長官
ムニューシン米財務長官が総額5000億ドルの国民支援を議員らに提案した。

*メスター・クリーブランド連銀総裁
流動性ひっ迫が続けば更なる行動を支持。
CP(コマーシャル・ペーパー)やTAFも選択肢。
潤沢な流動性があることが重要。
政策余地を残すためにゼロ金利への利下げは好ましくない。

*FRB
CP(コマーシャル・ペーパー)買い入れ復活を正式発表。

【ユーロ圏】
*スペイン証券取引委員会
17日から1か月間、スペイン株の空売り規制を導入。
期限については延長の可能性がある

*イタリア証券取引委員会
20銘柄を対象に24時間の空売り規制を導入するとともに、今後の塚対策手続きを開始

*独ZEW
経済には赤い警告灯がともっている。
金融市場の専門家は第1四半期の実質GDPの減少を見込んでいる。
第2四半期には一段と落ち込む可能性が極めて高いと見込んでいる。
現状・期待指数がともに強くマイナスとなるのは、2008年秋の金融危機以来。

【豪州】
*豪中銀
公開市場操作で88億豪ドル(54億米ドル)規模の資金供給を実施。
従来計画していた20.6億豪ドルを大幅に上回る供給。
流動性逼迫による借り入れコスト上昇リスクに対応したもの。

【NZ】
*ロバートソン財務相
新型コロナウイルス対策として121億NZドルの対策を実施。
対NZGDP比で4%に上る対応とした。
リセッションは現時点ではほとんど確実
財政赤字はGDP比で25%を超えることになる。
51億NZドルを給与対策に

【中国】
*ロイター通信
中国全人代は4月下旬か5月上旬の開催を検討しているもよう
開催時期まだ決定しておらず、出席者の数を減らすなどの可能性も

【香港】
*ラム香港特別区行政長官 
4月20日にすべての学校の再開は不可能

【その他】
*フィリピン株式・債券・外為取引を17日から停止、木曜日から再開

【トルコ】
*トルコ中銀
緊急会合で新型ウイルスのパンデミックに対応。
銀行のすべての流動性の需要に対処する。
91日レポにより流動性を供給。
金およびユーロに対する新たなスワップを提供。
外貨ライアビリティー準備を500bp引き下げ。

-+—+—+—+—+—+—+–+—+-
《本日予定されている主な経済指標》

【日本】
通関ベース貿易収支(2月)8:50
予想 9295億円 前回 -13132億円(-13126億円から修正)
予想 5355億円 前回 -2241億円(季調済)

【南アフリカ】
消費者物価指数(2月)17:00
予想 0.8% 前回 0.3%(前月比)
予想 4.5% 前回 4.5%(前年比)

実質小売売上高(1月)20:00
予想 0.0% 前回 -0.4%(前年比)

【ユーロ圏】
ユーロ圏消費者物価指数・確報値(2月)19:00
予想 0.2% 前回 0.2%(前月比)
予想 1.2% 前回 1.2%(前年比)
予想 1.2% 前回 1.2%(コア・前年比)

ユーロ圏貿易収支(1月)19:00
予想 N/A 前回 231億ユーロ(季調前)
予想 192億ユーロ 前回 222億ユーロ(季調済)

【米国】
MBA住宅ローン申請指数(13日までの週)20:00
予想 N/A 前回 55.4%(前週比)

住宅建設許可件数(2月)21:30
予想 150.0万件 前回 155.0万件(155.1万件から修正)

住宅着工件数(2月)21:30
予想 150.0万件 前回 156.7万件

【カナダ】
消費者物価指数(2月)21:30
予想 0.4% 前回 0.3%(前月比)
予想 2.1% 前回 2.4%(前年比)

【ブラジル】
ブラジル中銀政策金利 19日6:00
予想 4.00% 現行 4.25%

【NZ】
GDP(第4四半期)19日6:45
予想 0.5% 前回 0.7%(前期比)
予想 1.7% 前回 2.3%(前年比)

-☆-★-☆-★-☆-★-☆-

執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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