米下院の予算委員会、税制・歳出法案の審議が前進せず
米下院の予算委員会は本日、2017年のトランプ減税の恒久化を盛り込んだ大規模な税制・歳出法案の審議を前進させることができなかった。強硬保守派がメディケイド(低所得者向け公的医療保険)やその他の政府プログラムへのさらなる削減を求めて法案に反対した。
下院予算委員会はこの法案を21対16で否決。共和党の5名の議員が民主党と共に反対票を投じた。この段階で法案が否決されるのは極めて異例で、通常は本会議に送る前の形式的な承認ステップとされている。
共和党は、トランプ大統領の掲げる「壮大で美しい一括法案」を僅かな議席差で通そうとする中、今回の否決は、少数派議員グループが持つ影響力の大きさを浮き彫りにした。共和党内の意見の相違が法案の完全な頓挫や、少なくとも来週予定されていた採決の大幅な遅れにつながる恐れがある。現時点で共和党がどのように情勢を立て直し、分裂を解消して法案を進めるかは不透明な情勢。ジョンソン下院議長は、州・地方税控除拡大を求める穏健派と、さらなる歳出削減がなければ追加減税を支持しない強硬保守派との間の妥協案を週末を通じてまとめると約束していた。
共和党は僅か3議席しか造反が許されないという厳しい状況にある。また、この法案が下院を通過したとしても、今度は上院で大幅な修正を受ける可能性が高い。下院の法案に含まれるメディケイド削減に反対を表明している議員も複数存在する。

執筆者 : MINKABU PRESS
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