日米のコロナ対策に注目=外為どっとコム総研 神田卓也
日米のコロナ対策に注目
昨日のドル/円は、終値ベースで約2.8%下落。104円、103円、102円の節目を次々に割り込むと一時101.10円台まで下値を切り下げて2016年9月30日以来の安値を更新した。株式や原油などのリスク資産がパニック的な売りで下落した一方、安全資産とされる米国債に買いが殺到し、長期金利が低下する中、為替市場では安全通貨である円が上昇した。なお昨日は、日経平均株価が前日比5.07%安、独DAX指数は7.94%安、NYダウ平均は7.79%安となり、NY原油(WTI)は24.6%安だった。また、米10年債利回りは一時0.31%台に低下して過去最低金利を記録した。
本日は、日本政府が新型コロナウイルス感染症対策本部の会合を開き、緊急対応策の第2弾をまとめる見通しの他、トランプ米大統領は新型ウイルスに対応するための経済措置について記者会見を行う予定となっている。これらを受けて市場に落ち着きが戻るかが焦点となろう。また、本日は米大統領選挙の予備選がアイダホ州やミシガン州などで行われる。大勢判明は日本時間明日の午前になると見られるが、民主党予備選で左派のサンダース候補が支持を回復すれば市場の混乱が深まる可能性もあるだけに注目したい。
執筆者 : 神田卓也|株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 証券株式会社を経て、1991年㈱メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年同社入社。