【これからの見通し】ドル円、リスク回避の円買いは一巡か、米株動向をウォッチ
【これからの見通し】ドル円、リスク回避の円買いは一巡か、米株動向をウォッチ
週明けのマーケットは、新型コロナウイルスの感染が世界的に広がっていることに警戒感を強めた。昨日はイタリアにも感染が拡大したことで、伊MIB株価指数は5%超安となった。独DAX株価指数も4%安で取引を終えた。米株の下げが大きかった。ダウ平均は1000ドル超安で引けた。トランプ米大統領は新型ウイルス感染が米国に広がることに強い懸念を示しており、さっそく対策予算25億ドルを議会に要請した。
ただ、為替相場では、きょうの東京市場での日経平均の急落は織り込み済みとなっているようだ。きょうの時間外取引では、米株先物が下げ一服となっており、ダウ先物は200ドル超高となっている。ドル円は前日NY終盤に110.33レベルまで下押しされた。その後は下げ渋りの動きとなり、今日の東京午前には111円台を回復する場面があった。足元では110円台後半と、前日NY終値付近で推移している。
ドル円相場は、先週後半の「悪い円安」の始まりが、110円台前半からの上放れだった。前日NY市場での下げでその水準まで戻したことになる。いわゆる、従来のレジスタンス水準が、上抜け後にはサポート水準に転換するという現象となっている。110.30-50ゾーンが新たなサポート水準として機能するのかどうか。このあとのマーケットでの見極めポイントとなりそうだ。米株式市場の立ち直りの強さがどの程度かをウォッチしたいところだ。
この後に発表される経済指標は、ドイツGDP・確報値(第4四半期)、香港貿易収支(1月)、米S&Pケースシラー住宅価格(12月)、米FHFA住宅価格指数(12月)、米コンファレンスボード消費者信頼感指数(2月)など。強い米経済、弱いドイツ経済の対比が鮮明となるのかどうかが注目される。
金融当局者のイベント関連では、レーン加中銀副総裁、クラリダFRB副議長などの講演が予定されている。市場では早くも米金融当局の年内2回程度の利下げを織り込む動きがみられている。新型ウイルスの影響についての判断は、まだ時期尚早ではあるが、当局者の認識はどうか。その他では、米大統領選での民主党候補者の討論会、米2年債入札、ホームデポ、メーシーズ、セールスフォースなど米企業の決算発表が予定されている。
MINKABU PRESS 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。