ドル買い円売り止まらず、米中通商協議期待続く
ドル買い円売り止まらず、米中通商協議期待続く
ポンドは上昇、注目の議席数調査で保守党圧勝
【東京市場】ドル高優勢、豪ドルはエコノミスト見通しで下げる
ドル高の流れが優勢。昨日の海外株続伸の流れを受けて日経平均がしっかりとした動きを見せたことなどがドル円の買い材料に。米中通商協議進展の期待感が継続していることもドル買いに。
ドル円は昨日のNY市場で109円10銭台を付けた後、少し調整して109円02銭近辺で東京朝。東京市場では109円台を維持する形で109円10銭台に。ユーロドルが1.1025近辺から1.1010割れを付けるなど、値幅は落ち着いているもののドルはほぼ全面高に。
その他目立ったのは豪ドルの売り。豪大手銀行ウェストパックのチーフエコノミストであるジム・エバンス氏が来年6月にRBAは利下げに踏み切り、来年後半には量的緩和を開始というレポートを出したことが報じられ、豪ドル売りに。対ドルで0.6790近辺から0.6772近辺まで急落する動き。昨日RBAのロウ総裁は量的緩和に否定的な発言をしていた分、ややサプライズに。
【ロンドン市場】ポンド振幅
注目世論調査控えポンドは振幅。
月末関連フローもあり、その後ポンド買いに。
ドル円は109円台前半推移。欧州株堅調で下支え。
【NY市場】ドル高円安止まらず
ドル高円安が止まらず夕方に109円60銭近辺に、
米中協議への期待感が押し上げ
具体的な合意内容・日程の情報がなく、あくまで進展期待での上昇。
ユーロが一時1.10割れなどドル高基調が目立った。
ポンドは世論調査待ちの中しっかりでユーロ売りポンド買いに。
【本日の見通し】ドル高基調継続も香港人権法案署名が重石、ポンドは買い安心感も
ドル円は昨日の海外市場で109円60銭台と節目の109円台半ばを超える動きに。米中通商協議の進展期待が継続しており、ドル円、クロス円の支えとなっている。米株の続伸などもリスク選好につながっている。
もっとも朝方は売りが出る流れも。香港人権法案にトランプ大統領が署名と報じられ、法案が成立したことが重石に。もっとも上院で全会一致、下院で一名を除いてほぼ全会一致と圧倒的な大多数での可決を経て、大統領の署名待ちとなっており、署名を拒否(拒否権発動)したところで、議会で両院で三分の二が合意すれば拒否権を覆して成立するだけに、あまり意味のある拒否権発動ではなく、署名は時間の問題とは思われていた。
ただ、中国側の反発は必至で、対中関係の悪化懸念がやや重石となっている。
ポンドは朝から買いが入っている。通常のRDD方式よりも精度が高いとして注目を集めたMRP方式での世論調査に基づいた議席数予想が示された。保守党が359議席と単独過半数(325)を超えて圧勝見込みで、ポンド買いにつながっている。ここにきて労働党がやや支持率を回復傾向と報じられていたがこれまでの議席数予想サイトなどの情報と相違ない結果に、ポンドは買い安心感も。
【本日の戦略】押し目買いが継続
押し目買いが継続も今日は米国が休場
無理をせずという流れに。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《11/27 水曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 109.04 1.1021 120.17
高値 109.61 1.1025 120.60
安値 109.02 1.0992 120.06
終値 109.54 1.0999 120.47
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《11/27 水曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23437.77 +64.45
DOW 28164.00 +42.32
S&P 3153.63 +13.11
Nasdaq 8705.18 +57.24
FTSE 7429.78 +26.64
DAX 13287.07 +50.65
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《11/27 水曜日の商品市場》
NY原油先物1月限(WTI)(終値)
1バレル=58.11(-0.30 -0.51%)
NY金先物2 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1460.80(-6.60 -0.45%)
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《11/27 水曜日のに発表された主な経済指標》
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(11/16 – 11/22)21:00
結果 1.5%
予想 N/A 前回 -2.2%(前週比)
実質GDP(改定値)(2019年第3四半期)22:30
結果 2.1%
予想 1.9% 前回 1.9%(実質GDP)
結果 2.9%
予想 2.8% 前回 2.9%(個人消費)
結果 1.8%
予想 1.7% 前回 1.7%(GDPデフレータ)
結果 2.1%
予想 2.2% 前回 2.2%(PCEコアデフレータ)
新規失業保険申請件数(11/17 – 11/23)22:30
結果 21.3万件
予想 22.1万件 前回 22.8万件(22.7万件から修正)(前週比)
耐久財受注(速報値)(10月)22:30
結果 0.6%
予想 -0.9% 前回 -1.4%(-1.2%から修正)(前月比)
結果 0.6%
予想 0.1% 前回 -0.4%(コア・前月比)
シカゴ購買部協会景気指数(PMI)(11月)23:45
結果 46.3
予想 47.0 前回 43.2
個人所得(10月)00:00
結果 0.0%
予想 0.3% 前回 0.3%
個人支出(10月)00:00
結果 0.3%
予想 0.3% 前回 0.2%
PCEデフレータ(10月)00:00
結果 1.3%
予想 1.4% 前回 1.3%(前年比)
PCEコアデフレータ(10月)28日0:00
結果 0.1%
予想 0.1% 前回 0.0%(前月比)
結果 1.6%
予想 1.7% 前回 1.7%(前年比)
中古住宅販売成約指数(10月)28日0:00
結果 -1.7%
予想 0.2% 前回 1.4%(1.5%から修正)(前月比)
米週間石油在庫統計(バレル・前週比)28日0:30
原油 +157.2万(4億5195万)
ガソリン +513.2万(2億2598万)
留出油 +72.5万(1億1641万)
(クッシング地区)
原油 -9.7万(4412万)
*()は在庫総量
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《11/27 水曜日のに発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*トランプ米大統領
私は合意を保留している。
米中の合意が良い合意である必要。
五分五分のような合意はできない。
*米7年債入札結果
最高落札利回り 1.719%(WI:1.719%)
応札倍率 2.44倍(前回2.46倍)
*米地区連銀報告(ベージュブック)
経済活動は緩やかなペースで拡大。
一部小売業者は関税をコスト高の理由に指摘。
見通しは全般的に良好。2020年にかけ成長見込む。
賃金上昇は緩やか。
インフレは緩やかなペースで上昇。
住宅販売は横ばい~上昇。
製造業はより多くの地区で成長した。
【ユーロ圏】
*レーンECBチーフエコノミスト
政策の浸透効果は機能しており、リバーサルレートにはまだ達していない。
ユーロ圏の信用の増加はきちんと続いている。
ECBはインフレが低すぎても高すぎても等しく対応する。
*ラガルドECB総裁
ユーロへの支持は史上最高に達した。
ユーロは信頼を勝ち得ている。
この信頼を育み守ることが我々の義務。
紙幣の安全性、支払いシステムの堅牢性、ユーロの価値の安定性を確保する。
(紙幣署名式典イベントで)
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《本日予定されている主な経済指標》
【スイス】
GDP(第3四半期)15:45
予想 0.2% 前回 0.3%(前期比)
予想 0.8% 前回 0.2%(前年比)
【南アフリカ】
生産者物価指数(10月)18:30
予想 0.4% 前回 0.2%(前月比)
予想 3.1% 前回 4.1%(前年比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏業況判断指数(11月)19:00
予想 -0.14 前回 -0.19
ユーロ圏消費者信頼感・確報値(11月)19:00
予想 N/A 前回 -7.2
ドイツ消費者物価指数・速報値(11月)22:00
予想 -0.6% 前回 0.1%(前月比)
予想 1.2% 前回 1.1%(前月比)
ドイツ調和消費者物価指数・速報値(11月)22:00
予想 -0.7% 前回 0.1%(前月比)
予想 1.1% 前回 0.9%(前年比)
執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員