“仕掛け的な動き”を凌げるか…!? - ドル円
◆そこまで“悪い数値”ではなかったが… - ADP雇用統計
※ご注意:予想期間は10月4日と表示されていますが、本日(10月3日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。
想定した以上に“リスク回避姿勢”に傾斜している印象があります。
昨日発表されたADP雇用統計は“前月/事前予想を下回りました(+13.5万人)”が、そこまで“悪い数値”ではありませんでした。
しかしマーケットはこれを「米経済失速懸念の一つ」と捉え、“ドル売り”を加速させました。
「米国の報復関税(対EU)を、WTOが容認」と伝わったことも、「世界的な貿易摩擦拡大」への思惑につながった印象があります。
米10年国債利回りは“1.58%台”へ低下、NYダウも“600ドル弱安”を一時見せる中、ドル円は“107円割れ手前(107.047円)”へと下値を拡大しました。
◆「ダブルトップ」狙いの“仕掛け的な動き”には注意も…?
流れ(思惑)に逆らった報いといってしまえばそれまでですが、しかし昨日も記したように「ISM非製造業景況指数(3日23:00予定)を確認するまでは…」と見るのが自然です。
「ダブルトップ完成間近(9/24安値:106.961円割れで完成)」のチャート形状を考えれば“仕掛け的な動き”には警戒が必要ですが、すでに「8月急落前レンジ(107-109円)」の下限に達しています。
明確に割り込むと“下げが加速”する可能性は否めませんが、それでも「ストップロスを絡められるか」はいささか微妙…?
「すでにいい水準まで押した」と考えながら、引き続き、神経質なマーケットと対峙したいところです。
◆ドル円 抵抗・支持ライン
上値5:108.000(大台)
上値4:107.892(10/2高値、10/1~10/2の61.8%戻し)
上値3:107.734(100/20日移動平均線、日足・一目均衡表転換線、10/1~10/2の50%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値2:107.589(10/1~10/2の38.2%戻し)
上値1:107.501(20週移動平均線)
前営業日終値:107.170(-1σ、日足・一目均衡表基準線)
下値1:107.001(9/25安値、10/2安値、50日移動平均線)
下値2:106.961(9/24安値、8/26~9/18の38.2%押し、大台)
下値3:106.880(日足・一目均衡表先行スパン上限、ピボット1stサポート)
下値4:106.764(9/9安値、-2σ、9/3~9/18の61.8%押し)
下値5:106.622(9/6安値)
執筆者 : 武市佳史|株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト。日本におけるFXの草創期より業務に従事。現在は週刊為替コラム「武市のなぜなにFX」の執筆やWebセミナー講師を務めるのみならず、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿中。