関心は米中問題へ回帰=外為どっとコム総研 神田卓也
関心は米中問題へ回帰
昨日のドル/円は終値ベースで約0.4%下落。日銀が金融政策の据え置きを決め追加緩和を見送った事から、一時107.70円台まで円高に振れる場面もあった。ただ、日銀が次回会合での追加緩和に含みを持たせた事もあって、円買い一巡後は108.00円台に値を戻している。日米の金融政策イベントを通過した事で、市場の関心は米中貿易問題へと回帰する事になりそうだ。ワシントンでは米中次官級通商協議が本日まで行われる予定。10月上旬に予定されている閣僚級協議に向けた準備会合の位置付けだ。なお、トランプ米大統領の貿易政策アドバイザーは昨日、大統領には中国との貿易摩擦をエスカレートさせる用意があるとして「低水準にある関税は50%ないし100%への引き上げが可能だ」と述べた。本日のドル/円は、米中通商協議の行方を睨んで108.00円前後で推移しそうだ。下値支持は日足一目均衡表の転換線(107.83円前後)と今週安値(107.50円前後)、上値抵抗は今週高値(108.48円前後)だろう。
執筆者 : 神田卓也|株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 証券株式会社を経て、1991年㈱メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年同社入社。