ドル円は下げ渋るも下向きの流れは続く 明日の独立記念日を控え動意薄=NY為替前半
きょうのNY為替市場、ドル円は下げ渋る動きを見せた。この日発表の米経済指標が弱い内容だったことや、トランプ大統領の中国や欧州は為替操作しているとの言及などもありドル売りが強まったことで、ドル円も売りが出る場面が見られたものの、一時的な反応に留まっており、買い戻しを続けている。
ただ、前日のドル円はサポートとなっていた108円をブレイクし、きょうの東京時間には107.55円付近まで一時下落した。米中貿易問題への懸念は一段落しているものの、世界経済の先行き不透明感が根強く、各国国債の利回りの下げがドル円を圧迫している。米10年債は一時1.93%台と2016年11月以来の水準まで低下した。
明日のNY市場は独立記念日で休場となる中、きょうは米株式市場や債券市場が短縮取引で動意は薄い。FRBの利下げを占ううえでは、金曜日の米雇用統計に注目が集まっており、それに対する市場の反応を確認したい雰囲気も強いようだ。
NY時間に入って買い戻しも出ているものの、ドル円はきょうの下げで21日線を下放れる動きが見られており、下向きの流れは続いている。
ユーロドルはトランプ大統領の発言で瞬間的に1.13ドル台に上昇する場面が見られたものの短期的な動きに留まっており、全体的には1.12ドル台後半での推移が続いている。この日発表の米経済指標も弱い内容が相次ぎFRBの利下げ期待からドル売りが優勢となっているものの、ユーロも上値が重い。ECBも追加緩和期待高まっており、ユーロ買いにも積極的にはなれないようだ。
欧州首脳は次期ECB総裁のラガルドIMF専務理事を指名してきたが、ラガルド氏も景気をサポートする追加緩和に積極的とも見られており、欧州債の利回りも低下が続いている。
ユーロドルは1.13ドルちょうど付近に来ている21日線が上値抵抗に変化しつつあり、再び下向きの流れ回帰の兆候も見せている。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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