ECBの金融政策の見通しはもはや、市場に大きな影響を与えるだけの余力はないとの声も=NY為替
きょうのNY為替市場はFOMCの結果待ちの雰囲気が強まる中、ドル売りが優勢となっており、ユーロドルは1.12ドル台に戻している。一時1.1220ドル近辺まで上昇しているが、本日の21日線が1.1225ドル付近に来ており、その水準は上値抵抗となっている模様。
きょうはユーロが上昇しているほか、ドイツ10年債利回りも上昇している。前日はポルトガルで開催されたECBの年次フォーラムでのドラギ総裁の追加緩和や利下げの可能性を強調した発言でユーロもドイツ債利回りも下げた。しかし、ドラギマジックも1日で終了している。
きょうの動きを見て市場からは、ECBの金融政策の見通しはもはや、市場に大きな影響を与えるだけの余力はないとの声も出ているようだ。これまでの緩和拡大策で、ECBの緩和余地も既に少なくなっており、実施したとしても影響は以前ほどは大きくはないのではとの指摘も聞かれる。
なお、財政問題で欧州委員会が、イタリアに何らかの制裁措置を発動する可能性が高まっているが、来週はEU首脳会談も予定されている中、見送られるとの見方が有力になっている。ただし、7月の第1週までには発動する可能性が高いという。
EUR/USD 1.1206 EUR/JPY 121.46 EUR/GBP 0.8877
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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